ある日の朝だった。冷たい、と感じて目を覚ましたら。
海の中にいて、昆布になっていた。
(は…!?)
声を出そうとしたが、昆布に口や喉などないので発声できる筈がない。
体をもがこうとしても、そもそも足や腕がないので動けない。何故今こうやって考えられるのかは分からないが、とにかく自分は昆布になっている。つまり、異世界転生…ならぬ昆布転生したのだ。
となると、ずっとゆらゆらゆらゆらゆらゆらしていなければいけないのか?何かすることも出来ずに。
そんなのは嫌だぞ!?そもそも、昨日はベッドで寝ていたのになぜここにいるんだ。
もしかして、入れ替わってる_!?………なんて事はないだろうし。
これからの人生、いや昆布生活はどうなるんだ。どう食事して、どう生きてるんだ昆布は…?
もう……数年は経っただろ……………
ずっと揺れているだけで、何もかもどうでも良くなっていた。ただ揺られるだけって、こんなに心地いいんだな。昆布も悪くないか。
仕事も恋愛も趣味も、なにもかもない。はぁ…
あれ?何か背中に引っかかってる?
え、なんか引っ張られ…
「取れたぞ!今日のは大物だ!」
今、船の上にいる。これは収穫されたのか。そうに違いない。
船はどこかへ向かっていく。
しばらくして見えて来たのは、どこかの大陸。日本なのは間違いないが、見覚えはない。
俺は船から、乱暴に降ろされた。
天日干しされている、と言えば納得するだろう。
それと前聞いたことあったから、確信した。出荷されるぞ、これ。俺はどのようにして使われるんだろう。
太陽が暖かい。段々と眠くなって来た。おやすみなさい……
その後、彼は…
美味しく出汁を取られました。
作者の好物、昆布をテーマにしてみました。なんだこのカオスな文章。
コメント
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ꉂꉂ(ˊᗜˋ*)ʬʬ 最後に笑ってしまった...
wwww予想外すぎたわwww