Coe side -
「ストーカー??」
突拍子もない言葉に、思わず聞き返す。
正直、聞き間違いか空耳であってほしかったが、
目の前の青年、如月ゆうくんは
無慈悲にも、こくりと頷いて見せた。
「うん…。 ごめんね、こんなこと相談して…」
本当は駄目だってわかってたんだけど、
と言って申し訳なさそうに俯く彼。
「えっ、何言ってるの? いいに決まってるでしょ!
僕たち、友達なんだからさ!」
笑いながらそう言う。
友達。
自分で言っておいて、胸がキュッと傷んだ。
そう、僕は何を隠そう、
ゆうくんのことがずっと前から好きだった。
何をしていても可愛い彼が大好きだった。
…でも、僕らは友達。
彼にとっては、たったそれだけの関係なんだろう。
いつか、ゆうくんにも彼女ができて、
僕のことなんかも忘れて、幸せに暮らして。
あぁ、いやだな。
考えるだけでも、虫唾が走る。
僕の好きはこんなものじゃ、おさまらないんだ。
友達なんかじゃだめなんだ。
ごめん、ごめんね。 ゆうくん。
こんなことにまで、手を出して。
ゆうくんが、「ストーカー」って言ったときに驚いたのは、
君がストーカーされていることを知ったからじゃないんだ。
僕が、僕というストーカーの存在が、
君に感づかれたと知ったからなんだ。
コメント
5件
おぉ!めっちゃ好きです!! これからも頑張ってください!!!