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とある放課後。

横断歩道を渡っていると、信号無視をした車に跳ねられました。




そして、絶賛入院中な私、高3、女子高生。




幸い片足骨折だけで済んで、命に別条はないらしいです。


それでも、1か月は入院するらしく、暇な日々を過ごしています。


そんなある日、受験生らしくて勉強でもしようかと思っていたところ、、、




「え?」




何が起きたでしょうか。


知らない男性が私の寝ているベットの横に来て、椅子に座ったのです。




「、、、、えーと?、どなたですか、、?」




『、、、、、』




「、、、、病室間違ってますよ?」




『、、、、、』




しかもずっと黙ってるし、スマホをいじり始めたときはびっくりしました。


恐怖ですよね。最初の感想は。


何も喋ってくれないから相手のことは知りませんが、見た目は私より年上(大学生くらい?)で、ほとんど毎日来るんです(多分講義が終わってから)。


2週間すぎてからはもう慣れましたけど、さすがにずっと黙って1、2時間居座られるのは気まずい。


私は勇気を出して聞きました。




「あの、すみません」


「どうして、毎日ここに?」


「私たち面識ありませんよね?」




『、、、、、』




それでも相手は黙ったまんま。


そして、結局すぐ帰ってしまいました。


しかも、この日お見舞いに来てくれた親友からは「彼氏?」とか言われました。


そんな羨ましいことであってほしかったですよ。


本当に謎なんです。




でも、3週間目に差し掛かり、ある程度の自由ができた頃、私はリハビリ終わりに病院の中庭に行ったんです。


そしたら見覚えのある男性がいて、「あれ?今日は来てないけどなぁ」とか、思いながら話しかけてみたんです。


あ、今、何故?って思いましたね?


私も今になって本当に何故話しかけた?って思ってます。



「あの、毎日病院に来ているんですか?」


いや、病院に毎日来ている人は病人なんだよな。って言った瞬間に後悔しました。




『え?、、あ、』




きっと、急に話しかけられてびっくりされたんだと思います。


でも、この時、私は彼の声を初めて聞きました。




「あ、えっと、いつも病室に来るので、、今日は来ていないと思いまして、」




いや、この言い方だと待ち望んでいるみたいじゃん。って何回言った後に後悔するんだよって感じですよね。


本当にただ興味本位で聞いてしまったのです。


なにも深い意味は無かったんです。


それなのに、




「!?」


「えっ、な、なんで泣いて、、?」




『いや、、ッ、違ッ、くて、 』


『毎日、迷惑ですよね、、すみません、』




私はなにか彼の触れてはいけないものに触れてしまったんだと思いました。


でも、毎日来て、なにも知らない私の前で涙を流してしまうくらいのなにかが彼にあるのだとしたら、私は寄り添うべきなのではないでしょうか。


その権利があるのではないでしょうか。




「あの、、、他人の私が口出すのは良くないことだと分かってます。でも、毎日、病室来るのはなんでですか、?」




『、、、、』




「無理に聞きません、でも、」




『本当に、毎日すみません 』




「、、大丈夫です」




『、、、、君が入院する前に、同じベットで、入院してた人がいて』


『彼女だったんだよ、、その人』


「、、、 」


私は、彼の声色やその誰かを見ている表情から、察してしまった。


彼女は、きっと、、。




『先日、病気で亡くなって、俺、葬儀にも出たのに、その事実が受け止められなくて、、、病院に、彼女が寝ていたあの病室に行った』


『そしたら、君がいた』




「、、、はい」




『俺、本当はそのまま帰るつもりだったんだ、、でも、君が窓の方を向いた時、重ねてしまって、、 』


『もう、受け止めなければいけないんだって、彼女がいるところは、もう君がいて、ご遺族も、まわりがみんな先に進んだのに、俺はどうしても、まだ彼女を見ていたくて、、、 』


『本当にすみませんでした、関係ないのに、毎日、不快な思いをさせてしまって、、ッ』










私は、思ったよりも深く悲しいものに巻き込まれていたようです。


実は、彼がいつも見ているスマホの画面が、窓に反射して見えたことがあるんです。


綺麗に笑う1人の女性が見えた時、私はもしかしてと、思ったんです。


彼の口からずっと抱えてたであろうものを聞いた時、私はどうすることが正解だったのか、まだわかりません。






「不快なんかじゃなかったです」




「大切な人がいなくなったら悲しいし、受け止めるのに時間がかかるのは当たり前です」




「、、、また来てください」




『、、え?』




「来なくてもいいです、でも、椅子、いつでも空いてます」


























私が退院する前日には彼は来ませんでした。


しかし、ベット横の小さな机に見慣れないものが。


感謝の言葉が書かれた置き手紙と、小さなフリージアの花束が。

この作品はいかがでしたか?

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コメント

6

ユーザー

この別に恋愛に発展するわけでもない、ほんの少しの期間の絶妙な関係が最高です

ユーザー

2025が終わりにさしかかる時だからか尚更涙が出てきそうだった。小説的には最高です

ユーザー

良い話じゃないか結婚しよう 勿論私、花言葉を調べてきました。 率直に言います。好きです。

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