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太陽が登り始めるまだ薄暗い時間、貴方は目を覚ましました。

起き上がろうとしますが、全身重くて動けません。


狐「…んぅ」


原因は貴方と一緒に眠っていた彼、狐です。

後ろから貴方を抱きしめ、腕は貴方の首周り、脚は貴方のお腹周りと片脚に、逃がさないと言っているかのようにくっ付いています。

起きるには早い時間ですが、目が冴えてしまっている貴方は、狐を起こさないよう、筋肉質な手脚を解こうともがきます。

しかし、狐と離れるどころか、 さっきよりも力強く貴方は抱きしめられてしまいます。

まるで、彼が本当は起きているかのように…

「…狐さん?」貴方が呼びかけると、狐はもぞもぞと身を捩り薄目を合わせました。


狐「〇〇さん…おはようございます」


いつもの彼からは考えられないような、ふにゃりとした可愛らしい笑顔を見せています。


狐「〇〇さん、こっち…」


頬に手を添えられ向かい合わせになると、彼の胸板に頭を抱き寄せられ、赤ん坊を寝かしつけるように背中をとん、とん、と撫でられます。


狐「まだ起きるには早いですよ。もう少し、こうしていましょう」


優しいリズムで撫でられる背中と、微かに聞こえる狐の心音で、ゆっくりと、また夢の中に引き込まれます。

貴方が眠ったことを確認した狐は、髪を避けて額に唇を落としました。


狐「おやすみなさい、愛しい〇〇さん」

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