病院に駆けつけると、みんなも連絡を受けたようで都合のつく人から集まってきた。
佐久間くんとしょっぴーなんて両側から手を握ったらほんの少し握り返しがあったと言ってもう泣いてしまって大騒ぎだ。
全員揃った時、ラウールが俺に耳打ちした。
🤍「めめ、それこそ今じゃないの」
🖤「何が」
🤍「眠り姫を呪いから救い出す王子様のキス」
この様子だと、メンバーも事情を少なからず聞いたのだろう。
🤍「僕たちまた外すから」
🖤「いや、いいよ」
🤍「え?」
🖤「今度こそ絶対に起こすから見届けて。それで、みんなでおはようって言ってあげて欲しい」
みんなも『見てって言われたらそれはそれで恥ずかしいけど』と言いつつ、了承してくれた。
俺がベッドに近づくと、佐久間くんが『話違いだけどさ、この絵面だと俺ら7人の小人みたい』と笑って病室が和やかな空気になる。
手を握って、あの時と同じように前髪を指で梳いて、息が触れる距離で声をかけた。
🖤「阿部ちゃん、俺は何があっても阿部ちゃんだけを愛してるよ。だから起きて」
俺のこの言葉に大きく鼻から息を吸ったのは多分しょっぴーだし、阿部ちゃんに唇を重ねたタイミングで手を合わせるパチンという音をさせたのは多分ラウールだ。
唇を離して身体を起こすと、みんな自然と少し前のめりになってベッドを覗く。
阿部ちゃんの閉じられた瞼がぴくりと動き、やがてゆるやかに目が開いた。
佐久間くんとしょっぴーはまた泣き出し、康二がつられ、岩本くんは後ろを向き、ふっかさんは唇を結んでいる。
ラウールは両手で口を押さえ、舘さんは安堵の表情で泣く3人を宥めた。
🖤「阿部ちゃん、わかる?」
💚「…めめ?」
🖤「うん。おはよう」
コメント
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ごめん、何回読んでも舘がつぼw
よかった🥹🥹 ほんとに眠り姫すぎて好き((?
傍らで泣いてる姫たちが可愛くて好き←