ヤバい!!
そう思った時にはすでに遅かった。
もう逃げも隠れもする暇もなくて、カバンを手に中途半端な中腰の姿のところで簾が挙げられてしまった。
「偶然ね」
その声に恐る恐る視線を向けると、そこには不敵な笑みを浮かべた森田さんが立っていた。
「そうだね」
私は苦笑いを漏らしつつ、そう答えるしかできなかった。
「もう帰るところ?」
森田さんは私の向かいに座っていた麻美の方にも視線を移す。
ものすごく居心地が悪い。
私は1秒でも早くこの場を離れたくて仕方がなかった。
「うん、ちょうど帰ろうとしてたところ。ね、麻美」
麻美に同意を求めてみる。
「あ、うん」
いつもは饒舌の麻美もさすがに口数が少ない。
「そうなの?まだこんなに料理も残っているのに帰るの?」
そう言われ、チラリと確認するとテーブルの上には殆ど手つかずのままの料理たちが並んでいる。
――ですよね……
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