テラーノベル
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「無事におわった~……よかったぁ~……」
「ぺいんと、飲み過ぎたんじゃない?途中から水みたいにワイン飲んでたぞ」
ああ、だかららだ男から、「もう止めとけ」とストップがかかったのか。
「そう……だっけ?なんかもう、きんちょうしすぎてわけわかんなくて……」
しかし言われてみれば、足元がふらふらするし、思考も覚束ない。
ここへきて、緊張の糸がぷつりと切れてしまったらしく、自分がちゃんと話せているかも怪しくなってきた。
「そっち行かないで、危ないでしょ」
腕を掴まれて、うわ、と足をもつれさせる。
「取り敢えずタクシーで帰るよ。気分悪いとかないよね?」
「だいじょーぶ、だいじょーぶ!」
「全然大丈夫そうじゃないね……」
らだ男に手を引かれるまま、タクシーに乗り、しばらく目を閉じて現実と眠りの狭間を揺蕩っていた。
「降りるよ」
「ぇ、もう?」
目を瞬かせて外に出る。それかららだ男の部屋に着くまでの間も、ずっとらだ男に支えられて歩いていた絵斗は、
やがて辿り着いた部屋のソファに座らされて、ぐったりと身体の力を抜いた。
「……ほら、水だよ」
「ありがと……」
冷たいそれを流し込むと、少しだけ思考がクリアになった。でもまだぼうっとした感じは消えない。
隣に座るらだ男の顔をじっと見つめ、「ねぇ」と呟いた。
「さっき、なんの話してたの?」
「さっきって?」
「みんなで、わぁってもり上がってたでしょ。アリスのおかあさんが、あとでらだ男に教えてもらえっていってた……」
らだ男が何も言わないので、む、と眉根を寄せる。
「……まぁでも、うまくいってよかったね。きょうの食事会」
「……」
「ぜーんぶ、うそだけどねー」
囁くように言って、からから微笑う。
「らっだぁはひどいよ。うそなのに、そばにいろなんて言うんだもん……」
全部、嘘なのに。一生傍に居ろなんて。本当だったら、嬉しくてきっと泣いちゃうのに。
「……ほんとなら、しぬほどうれしかったのに」
ぽつりと落とされた呟きは、無意識に零れ出たものだった。
だが、それを耳にした瞬間、らだ男が驚いたように絵斗を見て――「ぺいんと」と言う。
「今、なんて――」
「……だから、ほんとなら、しぬほどうれしかっ……」
た、と。最後まで言えなかったのは、突然腕を引かれて、唇を塞がれたからだった。
「ん……っ」
何が起こったのか咄嗟に分からず、絵斗は目を見開いた。
アルコールのせいでふわふわしていた気分が一気に晴れて、この状況を処理できずに固まる。
唇に触れる柔らかな感触と、舌先をくすぐる熱い吐息に何もかも蕩かされそうだった。
「……っは……」
数秒の沈黙の後、ようやく呼吸ができるようになって、絵斗は、らだ男を突き放す。
「な、んで……キスするの!?」
「ぺいんとが悪い」
「だから、なんで……っ」
「本当なら、死ぬほど嬉しいなんて言うからだよ」
「ぇ……」
どういう、意味だろう。
「俺は、ずっとぺいんとが好きだった。子供の頃からずっと……ただの幼馴染なんかじゃないよ。
俺が本気で口説き落としたいと思ったヤツは、ぺいんとだけなんだから…」
「うそ……だよね?」
だって、それなら、何であの時「本命がいる」って言ったの。俺のことは、恋愛対象だと思ってなかったんでしょ?
結婚相手のフリをしろなんて言うし――
「俺の夢は、会社を有名になること。ぺいんとだって分かってるでしょ。」
「俺の人生の中心は会社で、この国に来る前は、ぺいんとに告る余裕なんてなかった。」
「夢を叶えた時に伝えるつもりでいたけど、今は違う。自分の夢と、ぺいんとと、二つを手に入れることに躊躇う理由がもうないし、顔見たら、離れてる時間が惜しくなった。」
「だから……ぺいんとにはこれから、俺の夢が叶うその瞬間を、一番近くで見届けて欲しい」
「……!」
「返事は?」
「それ、プロポーズ……?」
うん、とらだ男が答える。
「本当の、な」
ぺいんとの目から涙が溢れて、バカじゃないの、とらだ男の肩を叩く。
「らっだぁにプロポーズされて、断るヤツなんているわけないじゃん!」
自分だって、当然例外じゃない。
らだ男の手に再び引き寄せられて、ぺいんとは目を閉じる。
二度目のキスは、さっきよりもずっと深く、触れた温もりごと全部奪うみたいなそれで。夢みたいだと思いながららだ男の顔を見ようとしたけど、なかなか離してはもらえなかったから――されるがまま、しばらくはその甘い沈黙に、身を任せるしかなかったのだった。
自分書いてて「キャー!!」て叫びそうになりましたよ…!
でもまだこれ、完結じゃないんですよ!(多分!)
まだ続き書こうかなと思てるんですけど、めんどくさくなったら次のお話書き始めます。
それじゃ!お楽しみに!!
コメント
2件
自分もこんなキャーってなる作品描きたぁぁぁい泣 実際キャーってなりました✨! 続き待ってます!