頭が痛い…
目を覚ますと見知らぬ天井がある
「あれ、私、死んだハズじゃ、?」
自分の手を確認する。いつもより小さく感じる手だった。周りを確認すると豪華なベッドで寝ていたようだ。
ガシャーン!
音がする方向を見てみる。こちらを凝視しているメイドがいた。そのメイドは『信じられない』という顔をして硬直していた。
数秒過ぎてから慌ててメイドが動き出した。すると周りになにかを伝えるように大きな声をあげた。
「ライラお嬢様が目を覚まされました!」
するとバタバタと慌てて人が部屋に入ってくる。赤い髪の男性が私に近づく。
「ライラ、無事でよかった」
目を潤ませる男性だが、わからない。誰だったかすら思い出せない。小さく唸っていると、少し疑問が出てきた。
ライラって誰だ?
さっき私、死んだって言った?
この小さい手って…
すると全身に電流が走ったように脳に記憶が蘇った。
私は、田中比奈。会社で働く孤独なOL。唯一の癒しが乙女ゲーム【王子と薔薇乙女】通称王薔薇である。
そうだ。あの日の帰り道、新型アプデが来て私は歩きながらもゲームを起動していて、その後、、
主人公の名前はダイヤ・フォルト。ダイヤは病を癒す能力があった。それを皆は聖女として崇めた。聖女の印として肌に薔薇の紋が現れる。それを見いられ王太子と結婚…
それにたいして悪役令嬢、ライラ・ルナードは王太子の婚約者候補で、闇魔法ダイヤを陥れようとして、失敗して、断罪…
ってことは、あの悪役令嬢のライラに転生しちゃったってこと?!
「ライラ、まだ調子が悪いのか?」
そうだ、この赤紙の男性は、レオス・ルナードでライラの父親だった。
「ううん、大丈夫だよ、お父様」
すると父様は頭を撫でてから部屋を出ていった。そしてさっき大きな声をあげていたメイドがライラの専属メイドだってことがわかった。
この頃のライラはたしか5歳…
まだひねくれてないのよね。
たしか我が儘になったのは再婚してから、
思い出した。レオスは再婚するんだ。ライラが6歳のときに。再婚相手はアルスと名乗った。アルスはレオスがいないときを見計らってライラを罵った。だがメイドは誰もレオスにそのことを他言しなかった。アルスが買収したから。そこからライラはひねくれて我が儘な悪役令嬢になるんだよね。
となるとアルスに負けないようにしなくっちゃ。まずは情報収集からよね。
メイドの名前はなんだったかしら、
そうだ
「アリス、書庫に行きたいの、ついてきてくれないかしら?」
するとメイド、改めてアリスはビクッとしてこちらを振り向き言った。
「わ、わかりました」
そりゃそうよね。急に5歳が書物を読みたいだなんて可笑しいものね。
書物には聖女が現れるのは200年に一度。そして10年後がその日だと記されていた。10年後ライラは15歳。たしか断罪されるのもライラが15歳のときに…
これはすぐ行動せねば…
私はその日からとにかく修行を積んだ。魔法の鍛練、剣術、学業、法学、断罪されても生活できるように努力を続けた。







