コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
肌寒い
僕はどこに居るのだろう?
あぁ、思い出した
戦艦ミズーリの上だ
ミズーリの上で、本当の兄達の無様な姿を見ている最中だった。
米海軍お兄様と米陸軍お兄様は本当の兄では無い
だが、本当の兄の様なんだ
相談には乗ってくれるし、大切にしてくれる
本当の兄達よりもすばらしいと思う
なにせ、僕の本当の兄はクソ野郎だ
僕に対して罵声を浴びせる。
何より、居なくなった僕を探さないんだ。
どうせ要らないから
無能だから、でも、そんな無能な僕を拾ってくれたお兄様達
差は明らかなんだ
もう、どうでもいい
あんな奴ら、あんな国
全てがどうでもいい
僕はアメリカに全てを捧げる
合衆国様に
祖国様と呼びたいのに、祖国では無いから、合衆国様呼び
これが何より辛かった
全てを捧げると決めているのに
「空、何かあいつらに言うことは無いか?」
陸お兄様の声
あいつらに言うこと?そんなの決まってる
「あります」
「言うか?」
「ええ、言わせて下さい」
「うん、いいよ」
その言葉を聞き取り、僕はあいつらの前に出る
「こんにちは、クソ野郎共」
思った事を口にする事は恥ずべき行為では無い
「……こんにちは」
大日本帝国の声
はっきりいって耳障りだ
「さて…アメリカ海軍航空隊として言わせて頂きます。」
「特攻とは、何事ですか?」
特攻隊
その名の通り我がアメリカ海軍の戦闘艦に特攻する特別隊
はっきり言って効率が悪い
まず、一人の命を犠牲にしなければならない
馬鹿が考えたのか?
次に、簡単に対策できたこと
護衛艦等で撃ち落とせばいい
「……大日本帝国、貴方が勝つことに夢中だったのは分かります」
「ですが、特攻隊は如何なものかと」
「お前には…お前ら欧米には分からないだろうな?」
「私がどれだけ夢中だったかなど」
「ほう…」
「後、礼儀がなってないな?そのホッケーマスクを外せ」
「嫌ですよ」
「は?何故だ?」
「あなた方のようなクソ野郎共に顔なんて晒したくない」
声を聞いても気づけないか…
これだから嫌なんだ
戻ることも考えてはいたけれど
仕方無い
「それでは」
「なぁ…」
ずっと黙っていた海軍が声を上げる
「はい?何でしょう」
「お前、本当にアイツらと血が繋がっているのか?」
「ッ!?」
え…?
「お前、空じゃないか?」
「冗談はよして下さい!!」
「なるほど、だから聞き慣れた声だったのか」
「何を言っているんですか!?」
バレたくない
その一心で、言葉を選ぶ
「違っていい、いや、違う方がいい」
「もう俺らは顔を合わせることさえもできない」
「………………」
こいつらなりに……考えてたのか?
信じてもいいのか?
お兄ちゃん達……!