テラーノベル
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春。
新しいクラスになって一週間。
窓の外では桜がまだ少し残っていて、風が吹くたびに花びらが舞っていた。
そんな平和な昼休み。
照は机に突っ伏していた。
理由は簡単。
隣の席の男がうるさいからだ。
💜「照〜」
💛「なに」
💜「呼んだだけ」
💛「用事ないなら呼ぶな」
💜「冷たっ」
ふっかはケラケラ笑う。
照はため息をついた。
昔からそうだ。
小学校の頃からずっと一緒。
同じクラスになったりならなかったりを繰り返してきた幼なじみ。
そして。
照がずっと好きな相手。
もちろん本人は知らない。
知られたくもない。
絶対に。
💜「照」
💛「今度は何」
💜「俺のこと好き?」
💛「は?」
思わず顔を上げた。
ふっかは楽しそうに笑っている。
💜「即反応した」
💛「変なこと聞くな」
💜「好きじゃない?」
💛「好きじゃない」
💜「へえ〜」
💛「なんだよ」
💜「嘘つく時ちょっと目逸らすよね」
心臓が止まりそうになった。
やめろ。
本当にやめろ。
そういうの。
💛「知らねぇ」
💜「かわいい」
💛「うるさい」
ふっかはまた笑った。
照は顔を伏せる。
たぶん耳が赤い。
絶対見られたくない。
⸻
放課後。
照は一人で体育館倉庫の片付けをしていた。
部活の手伝いで荷物を運んでいると。
💜「いた」
聞き慣れた声。
振り返るとふっかが立っていた。
💛「なんでいるんだよ」
💜「暇だから」
💛「帰れ」
💜「やだ」
当然のように居座る。
照は無視して段ボールを持ち上げた。
その時。
💜「わっ」
ふっかが突然目の前に出てきた。
💛「危ねぇ!」
反射的に腕を掴む。
ふっかの体がぐらりと傾いた。
そして。
ドン。
壁。
照の腕。
ふっか。
壁ドンみたいな体勢。
沈黙。
💜「……」
💛「……」
💜「照」
💛「なに」
💜「近いね」
💛「お前のせいだろ」
💜「でもさ」
ふっかが少しだけ顔を近づける。
💜「心臓速くない?」
終わった。
絶対聞こえた。
今の心拍数は確実にバレてる。
💛「気のせいだ」
💜「ふーん」
💛「離れろ」
💜「照が離してくれない」
💛「……」
本当だった。
慌てて手を離す。
ふっかは大爆笑。
💜「あはははは!」
💛「最悪」
💜「照おもしろい」
💛「誰のせいだよ」
💜「俺」
反省の色はゼロだった。
⸻
翌日。
体育の授業。
男子たちは校庭でサッカーをしていた。
照は運動神経が良い。
だから自然と目立つ。
シュートを決めれば歓声が上がる。
すると。
💜「照かっこいー!」
遠くから声が飛んできた。
照は思わず振り返る。
フェンス越しにふっかがいた。
💜「がんばれー!」
💛「うるさい!」
周りが笑う。
照は恥ずかしくてたまらなかった。
なのに。
嬉しい。
応援されただけで。
たったそれだけで。
⸻
放課後。
教室には二人だけだった。
窓から夕日が差し込む。
静かだった。
ふっかは照の前の席に座っている。
机に頬杖をつきながら。
ずっとこっちを見ている。
💛「……何」
💜「見てる」
💛「なんで」
💜「照だから」
意味が分からない。
でも心臓には悪い。
💛「帰れよ」
💜「照も帰る?」
💛「帰る」
💜「じゃあ一緒」
💛「勝手にしろ」
ふっかが笑う。
その笑顔を見るたびに思う。
好きだな、と。
どうしようもなく。
昔から。
ずっと。
でも。
この気持ちは絶対に言えない。
幼なじみだから。
友達だから。
今の関係を壊したくないから。
そう思っていた。
その時だった。
💜「ねえ照」
💛「ん?」
💜「もしさ」
ふっかの声が少しだけ真面目になる。
💜「俺が誰かと付き合ったらどうする?」
照の心臓が止まりそうになった。
続く。
(次回は、ふっかに告白する女子が現れて、照が初めて嫉妬する回になる。)
コメント
1件
照の心臓の音がバレるシーン、読んでるこっちまでどきどきしました。ふっかの軽いノリと照の必死な隠し方が対照的で、幼なじみならではの距離感が絶妙です。最後の「付き合ったらどうする?」で一気に話が動き出しそうで続きが気になります。2人の関係がどう変わっていくのか楽しみです。