「ついたか…」
王様に会うまではまだ時間がかかるらしい。
妙にキラキラしている装飾がやたら目に入り鬱陶しい。
死ぬまでのほんの少しの時間だがやる事がなさすぎる。
冥土の土産に何か面白い奴でも居ないだろうか…
「おい、アンタ!」
と思っていたら早速めんどくさそうなのが来た。
きっとこいつも落とされるんだろうが、
いいな。翼があって…
「アンタも今日落とされるのか?」
「あぁ」
「そうか、そうか、」
「安心しろ。俺もだ」
何も安心できないのは気の所為だろうか、
「でも怪物悲惨だよな」
「ただ平和に暮らしたいだけなのに落とされて死ぬなんて」
「あ、俺はメイン」
「よろしくな!」
「お、俺はコロニー」
「よろしく」
ふと悲しそうな顔をしたメインは、
もしかしたら…
「そこの者!謁見の間に入れ!」
大きな声と共に、扉が開いた。
「よく来たな。下民よ」
最初の第一声で相手を貶すタイプだ。
最後に見るのがこいつの顔なんて最悪だ…
「お前等は今、この塔から落とされる」
「羽が生えれば怪物ではない。さぁ!飛び降りろ!」
ご親切に説明もしてくれた。
もうこれで俺の人生…いや。
怪生は終わりか。
短い怪生だったな。
「うわ、高っ…」
「ワンチャンいけると思ったけどやっぱ無理か…」
「え…?」
メインの言葉を聞いて驚いた。
メインは…怪物だ。
「お前も…か」
「コロニーも?」
「あぁ。じゃあな」
身を切る風は冷たい。
足元に何もないのが恐怖を招く。
その時、改めて実感した。
俺はこのまま…
「死ぬんだな…」
コメント
2件
…すご、めっちゃ恐怖とか感じた