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やっほ!
火曜日ださなくてごめん!
宿題が・・・
番外編に挑戦してみる!
いってらっしゃい~
――風の音で、目が覚めた。
いや、「目が覚めた」と思っただけで、体は動かない。
足元は冷たい石。夜の匂い。高い場所。
(……あ)
見覚えがある。
ここは――
あの世界。塔の上。
空は深い紺色で、星が近い。
近すぎて、落ちてきそうで、少し怖い。
(また、これだ)
夢だとわかっているのに、感覚がやけにリアルだ。
風が頬をなぞる感触まで、はっきりしている。
(この時……)
思い出す前に、後ろから声がした。
「……考えすぎだ」
低くて、落ち着いた声。
(……らお)
振り返ると、そこにいる。
黒い外套、今より鋭い目。
(懐かしいな。この頃のらお)
「俺、また一人で行こうとしてる」
自分の口が、勝手に動く。
これは“記憶”だ。
「危ないって、言われるのわかってる」
足元で風がざわつく。
感情に反応している。
「でもさ……」
胸が、ぎゅっとなる。
「誰かが傷つくの、嫌なんだ」
言葉にした瞬間、
風が強くなった。
(ああ……)
(この時の僕は、こんな顔してたんだ)
必死で、余裕がなくて。
それでも、笑おうとして。
「だから、僕がやる」
らおが一歩近づく。
「……それが、お前の悪い癖だ」
声は冷静なのに、
怒っているのがわかる。
「全部背負って、飛んでいく」
「残される側のこと、考えたことはあるか」
(あ……)
言葉が、胸に刺さる。
(考えてなかった)
「……ごめん」
そう言った自分の声は、驚くほど小さい。
らおはため息をつく。
「謝るくらいなら」
「最初から、一緒に行け」
その言葉に、胸が少しだけ楽になる。
(あの時も、そうだった)
(らおは、いつも一緒にいようとしてくれてた)
遠くで、鐘の音。
戦いの合図。
(このあと……)
(僕は風を呼びすぎて)
(戻れなくなった)
未来を知っている自分が、
過去の自分を見ている。
(怖いな)
(それでも――)
「らお」
記憶の中の僕が言う。
「もし戻れなくなっても」
「君が生きてたら、それでいい」
らおの目が、わずかに揺れた。
「……勝手なことを言うな」
でも、声は優しい。
「お前がいなきゃ、意味がない」
(……ずるいよ)
(そんなこと言われたら)
(行くしかないじゃん)
風が、塔を包む。
視界が白くなる。
「ちぐさ」
らおの声が遠ざかる。
「どこに行っても」
「お前は、風だ」
「それだけは、忘れるな」
(……うん)
(忘れない)
(絶対に)
――ぱちり、と目を開ける。
現代の天井。
カーテン越しの朝の光。
「……夢」
胸に、温かい感覚が残っている。
(でも)
(ただの夢じゃない)
窓を少し開けると、
柔らかい風が入ってきた。
「……大丈夫」
小さく、つぶやく。
「今度は、一人じゃない」
風は、静かに答えるみたいに、
カーテンを揺らした。
おかえり~
初の番外編どうだった?
友達欲しい!!
またね!