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者ども!戦の時は来たれり!かかれー!
って!かっこよく決めたいけど“者ども”ってなんか上から目線で悪い気がするから……
「みんな位置についたね?いくよ!」
「おう!」
「おー!」
檻のすぐ近くでゴリさん待機!
そして檻から一直線にライオンさんを配置してその10メートル程後ろに俺!
「すぅ……はぁ……」
そして俺は大きく息を吸って心と呼吸を整え……
この世界に来て初の魔法を唱える。
____「『魅了』」
その瞬間、周りの魔物が檻から出せ!と言わんばかりに一斉に騒ぎ始めた。
__そしてもちろん檻が最初から空いている箇所……つまりベルドリは……
「コケーーーーーーーー!!!」
よし!成功したみたいだ!
ものすごい勢いでコチラに向かってくる。
「33番さん!お願い!」
「任された!マイスイートハニー!【土塔】!」
「うお!おぉ!」
ライオンさんが魔法が発動させると俺の立っている地面がモコモコと動き始め、みるみる高くなっていく!
もちろん手すりなどの持つ所がないので滑って転んで落ちると死ぬんじゃないかな?この高さでも。
「っ……」
土が高くなるのをやめたので身を乗り出して下を見ると悔しそうにコチラを見ているベルドリと目が合う。
「実際悔しそうな顔なのかは分からないけど……」
そのまま前屈みになっているとデカイ胸の重みで落っこちちゃいそうなので立ち、遠くのゴリラさん達に知らせる。
「ここは僕に任せて先に行って!」
言って思ったがフラグ回収乙ってコメントで言われそうなセリフだな、これ。
「くっ、すまん!お前を置いて行く俺を、どうか攻めないでくれ!」
どこのドラマですか〜……てか何で毎回あの人は効果てきめんなんだよ!
ちょっと複雑な気持ちになるよ!ごめんな!
「さて……後は待つだけ……」
向こうではゴリさんとライオンが合流したころだ。
「ケーッ!ケーケーケー!こけ!」
おー、見てないけど下からベルドリの声が聞こえる、何とかのぼろうとしてるのかな?
「そういや、火の魔法とかって出せないのかな?」
遠距離からの攻撃魔法使えたとしたら上から一方的に撃てるよね?
「この魔法が続いてる状態で、もう一つ魔法を重ねる感覚かな?よし!やってみよ!」
………………
………
「いや……やめとこ……」
よくよく考えると生き物を焼き殺すってサイコパスすぎない?
「あ、でもでも、水魔法とかなら大丈夫かな?濡らすだけだし、攻撃ではないけど何か役に立つかもしれないし……うん、それなら大丈夫だな!」
レッツトラーイ!
「すぅ____」
…………
……
あ、あれ……?
俺はボロボロだが色々と隠せてる服の襟を人差し指であざとくつまみ。
お尻を引いて少し前屈みになり。
身体と口が勝手に動き呪文を唱えた__
「『魅了』」
「…………」
…………うわぁぁぁぁぁああああああ!!!!くわせふじこ!!!!!あぁああああああああ!!!なんじゃこりゃぁぁぁぁあ?!誰か、誰か今すぐ時間を戻して!まじ!戻してええええあえ!何なのこれ!何これ!はずかし!
いや!はずかしい以外言葉が出ない!何このポーズ!?
恥ずかしすぎて涙出てきた。
「てか結局『魅了』じゃねーか!重ねがけしただけやん!」
「コケーーーーーー!」
あーもぅ!上から聞こえるベルドリの鳴き声うるさい!
「……ん?」
“上”……から?
「ま、まさかね……」
バサバサと聞こえる羽の音を幻聴と信じて上を向くと__
「コケーーーー!!!」
ベルドリが空を飛んでいた……
「アイエエエエエエ!?なんでええええ!?」