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──流星と約束をした翌日になっても、なかなかベッドを出る気力はなくて、昨夜から潜り込んだままの布団の中で、いつまでもうだうだと時計代わりの携帯ばかりを見ていた。


(今、何時頃なのかな…?)


そう思いながら、何度目かの携帯を覗いた。


デジタルの表示は6時を過ぎていて、待ち合わせの時間が近づいてきていることが知れると、私はようやくのろのろとベッドから這い出した。


「行かなきゃ……」


カーテンの隙間から覗く日が落ちた窓の外をぼんやりと見つめながら、自分に言い聞かせるように呟く。


だけど行かなきゃいけないとは思っても、相変わらず頭の中を支配しているのは、(なんで行くことになんてしたんだろう)という、後悔の念ばかりだった……。


カーテンを引き開けると、暗い窓ガラスの向こうには、むくんだような自分の顔が映っていた。


「ひどい顔……」


心の内がそのまま表情に出てしまっているようにも感じて、


(こんなんで行って、どうなるっていうんだろう……)


せめてもの気晴らしにとシャワーを浴びてみたけれど、昨日からずっと引きずったままの淀んだ気もちはちっとも晴れなかった。


だらだらと時間をかけて用意をして、もう一度携帯の時計に目をやると、もう出なければならない時間になっていた。


「行かなきゃ……」


私は、自分の気持ちを奮い立たせるように、さっきと同じようにわざと口に出して、玄関のドアを開けた──。

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