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この世界に来てから二日が経過した。
「今日はこんな所か―――」
野生の魔物や猛獣を狩り、その返り血で身体がベトベトの進。
食事は魔物の肉や食べられる薬草や果物で済ませていた。
この二日間、森の中でサバイバル生活をして過ごしている。
そういえば、昔は己の鍛錬の為、何もない山や密林でサバイバルをしていたこともあったっけ―――
近くに水源を見つけられたのは幸運だった。
身体に付着した魔物の血を洗い落とせるし、飲み水も確保できる。
「ふぅー、さっぱりした。」
「さて、夕食の用意をするか―――」
薬草や果物は、鑑定によって調べて食べられるか選定していった。
鑑定で見ると味まで記載されているので非常に助かっている。
二日間、森をさ迷って、まだこの世界の人間には遭遇していない。
だが、オレはここから少し離れた所に集落があることを確認している。
高い木に登って上から眺めて確認したから間違いない。
明日にはその集落へ着くだろう。
夕食を食べ終えたオレは寝ることにした。
寝床は、植物の葉や枝から簡易ベッドを作成し、収納のスキルに入れ、持ち運びをしている。
この二日森の中を歩き回って、度重なる戦闘を行っていた。まぁ主にゴブリンなのだが。
おそらくこの近くにゴブリンの巣のようなものがあって、そこから出てきた食料調達係のようなものなのだろう。
この二日でレベルも上がってきた。
ここで自分のステータスを確認しておく。
名前:天童進(てんどうすすむ)
種族:人間
性別:男
Lv.16
クラス:なし
◆パラメータ◆
体力:80
筋力:94
魔力:120
物理抵抗力:88
魔力抵抗力:92
精神力:88
器用さ:100
素早さ:95
◆装備◆
武器:なし
防具:学生服(+0)
◆アクティブスキル◆
《鑑定Lv.3》《収納Lv.2》《格闘術Lv.5》《高速演算Lv.5》《料理Lv.5》《魔力制御Lv.1》《挑発Lv.2》《短剣Lv.2》《気配察知Lv.2》
◆パッシブスキル◆
《異世界語翻訳》
◆称号◆
異世界の天才児
スキルのレベルが全体的に上がり、スキルも三つ増えた。
《挑発》
敵に自分を狙わせるように誘導させる。
レベルが上がるほど上位の存在にも有効になってくる。
《短剣》
短剣の技術力・短剣使用時の能力補正に関わってくる。
短剣を使っているときに技が使え、レベルが上がるほど使える技が増える。
《気配察知》
自分を狙っている者の気配がなんとなく察知できる。
レベルが上がるほど、その正確な情報を得るができる。
短剣のスキルはゴブリンから奪った青銅のナイフを使用していたから習得したもので、挑発のほうはレベルが上がった時に使えるようになっていた。
気配察知は何回もゴブリンの接近を察知していた結果習得していた。
スキルの習得は、レベルが上がった時だけではなく自らの行動や気持によっても習得したりするのであろう。
スキルを確認していると、向こうのほうからまた何者かの気配を感じた。
しかも複数の気配である。
「こっちに来るな―――、どうやらゆっくり寝かせてはくれないらしい。」
「まぁ、それでこそ”現実”ってわけなんだが―――」
進は、収納のスキルから短剣を取り出し、即座に腰を落とし戦闘態勢に入る。
「ゴォォ!」と大きな音が鳴ったと思うと進の背後からスイカほどの大きさの火球が飛んできた。
「ッ―――!?」
進は反射的に避けるが少し掠って火傷を負う。
「これは驚いた―――」
「コイツ、野生動物なのに炎を操ってやがる。」
眼の前に手から火を放出している猿が現れる。
初めての経験―――
何もないところから火を出現させる存在。
「これが魔法か―――」
「初めて見るよ。」
進は初めの魔法に少し興奮する。
「ッ―――!?」
魔法に気を取られていたが、ハッと意識を向けると既に囲まれていることに気付いた。
「キッキッキッ・・・!!」
「キッキキーーー」
…
複数の鳴き声が聞こえ始めた。
「これは逃げるのは難しそうだな。」
複数の魔物が木の上から進を見下ろしている状況だ。
とりあえず、群れの一匹に対して鑑定を行ってみた。
名前:なし
種族:マジカルモンキー
性別:不明
Lv.12
クラス:マジカルモンキー
◆パラメータ◆
体力:54
筋力:30
魔力:87
物理抵抗力:43
魔力抵抗力:50
精神力:22
器用さ:71
素早さ:66
◆装備◆
武器:なし
防具:なし
◆アクティブスキル◆
《赤魔法Lv.3》《魔力制御Lv.3》《意思疎通Lv.2》《気配隠匿Lv.1》《集団行動Lv.1》
◆パッシブスキル◆
なし
「魔法による遠距離攻撃―――」
「現実世界にはなかった戦法・・・面白い、挑むとするか。」
逃げることは難しいと判断した進。
異世界の魔法を相手にしてみたいという興味もあり、戦うことを決める。
猿共は、進に目掛けて一斉に火球を放り込んできた。
「高所は取られている―――」
「一旦は避けるしかないか。」
進は地面を転がり、避けることに徹する。
バァァァンーーー!!!
とてつもない炎の光の後に、森の一面が炎で埋め尽くされ、バチバチと燃え始めた。
「キーキッキッ!」
とケラケラと笑いに似た鳴き声を猿共は発する。
進の異世界生活はまだ始まったばかり。