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目を覚ますと真っ白な天井が見えた。
「「マリネット!!」」
パパとママが目をうるませながらこちらを覗いている。
どうしたんだろう?状況が理解できず起き上がって周りを確認すると、ここは病院の個室のようだ。
サイドテーブルには花瓶があり、ピンクと白の綺麗な花々が生けてある。
「ママ、パパ、どうして私は病院にいるの?」
私は新学期、学校に行こうとしていたはずなのに。
体は痛くないし、包帯だってしていない。体はピンピンしている。
しいてていうなら点滴がしてあるくらい。
けれどその点滴は栄養剤なので特に病気などではなさそう。
「あなた、倒れていたみたいでシャノワールが病院へ運んでくれたのよ」
ママがにこりと笑いながら言った。倒れて病院に行ったなら覚えてないのはまぁ当然かな。
でも…、黒猫?そんな名前の知り合いの人は居ないはず…。通りすがりの人かな?
今度会えたらお礼を言いたいな♪
「3日も意識不明だし、原因が分からなくてとても心配したわ。」
ママがさっと私の手をとりならが言った。
3日間も…。二人には心配かけちゃったな、
「おっ、マリネットの友達がもう少しで来るみたいだぞ。」
パパはスマホを向けるとそう答えた。
「あっ!パパ!それ私のスマホ!」
「通知が凄くてみんな心配してくれてたみたいで返信しないと申し訳ないだろ?」
「もぉ~パパったら〜!」
娘にもプライバシーってものがあるんだから…!
パパの言う通り、数分後、ドアからノック音が鳴った。
ドアが開くと男女2人組が入ってきた。
「「マリネット!! 」」
入ってくるなり女の子の方が抱きついてきた。
「良かった…。無事で…。あんた、いつも心配させるんだから…。」
ウェーブがかったロング髪を揺らしながら言う。
しかし、私には返せる言葉が見つからない。
「調子はどうだい?もうじき他の皆も来るぜ。」
今度はラッパーみたいなメガネの男の子が言った。
するとまたノック音が鳴り、ぞろぞろと入ってきた。
皆口々に私の名前を呼び、安堵の表情で良かったと言ってくれている。
しかし、私にとっては訳の分からない事が今目の前で起きている。
「ごめんなさい。今混乱していて…。あの、あなた達は、」
「誰ですか?」
私がそう口にするとさっきまでの和気あいあいとした空気が
一瞬としてで吹き飛んだ。
私に抱きついていた女の子が、信じられない。という顔で
その後検査した結果、
私は高2の春から記憶がないようだ。