コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
目を覚ますと真っ白な天井が見えた。
「「マリネット!!」」
パパとママが目をうるうるさせながらこちらを覗いている。
どうしたんだろう?起き上がって周りを見渡すと病院の個室にいた。
サイドテーブルには花瓶があり、ピンクと白の綺麗な花々が生けてある。
「ママ、パパ、どうして私は病院にいるの?」
私は新学期、学校に行こうとしていたはずなのに。
体は痛くないし、包帯だってしていない。しいてていうなら点滴がしてあるくらい。
けれどその点滴は栄養剤なので特に病気などではなさそう。
「あなた、倒れていたみたいでシャノワールが病院へ運んでくれたのよ」
ママがとても優しく言った。そうだったんだ。でも倒れた記憶がない。
黒猫?そんな名前の知り合いの人はいなぁ。通りすがりの人かな?
今度会えたらお礼を言おう。
「3日も意識不明だし、原因が分からなくてとても心配したわ。」
ママが私に手を合わせる。
「おっ、マリネットの友達がもう少しで来るみたいだぞ。」
「あっ!パパ!それ私のスマホ!」
「通知が凄くてみんな心配してくれてたみたいで返信しないと申し訳ないだろ?」
「もぉ~パパったら。」
パパの言う通り、数分後、ドアからノック音が鳴った。
ドアが開くと男女2人組が入ってきた。
「「マリネット!! 」」
「良かった…。無事で…。あんた、いつも心配させるんだから…。」
ウェーブがかったロング髪のメガネの女子が抱き付きながら言った。
しかし、私には返せる言葉が見つからない。
「調子はどうだい?もうじき俺の相棒も他の皆も来るぜ。」
今度はラッパーみたいなメガネの男子が言った。
するとまたノック音が鳴り、ぞろぞろと入ってきた。
皆口々に私の名前を呼び、安堵の表情で良かったと言ってくれている。
しかし、私にとっては訳の分からない事が今目の前で起きている。
「ごめんなさい。今混乱していて…。あの、あなた達は、」
「誰ですか?」
私がそう口にするとさっきまでの和気あいあいとした空気が
一瞬としてで吹き飛んだ。
私に抱きついていたメガネの女子が、信じられない。という顔で
その後検査した結果、
私は高2の春から記憶がないようだ。