コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
それから数日がたち、帰宅の許可が出た。
しかし検査やら何やらと忙しく、
帰ってくるのが22:30になってしまった。
後で聞いたのだが、一番始めに抱きついていた
彼女の名前はアルヤという私の親友だったようだ。
数日たった今も記憶は一ミリも戻らないが、
日常生活のふとしたきっかけで思い出すかもしれない、らしい。
自分の部屋に入ると記憶にないものが沢山あった。
まず目に入ったのは写真。
ちょこちょこ友人と思われる人達の写真。
ブロンド髪にエメラルドグリーンの瞳の同い年くらいの男の子の写真。
彼の写真が気味が悪い程に至る所に貼ってあった。
「いつから趣味が変わったんだろう。」
返ってくることのない問いをただ独りで呟く。
何故だか当たり前のはずなのに
答えが返ってこないことにとても喪失感を覚える。
まるで前は独りであることが常になかったかのような。
彼の写真を一つ一つ丁寧に剥がしていく。
捨てようと思ったがなんだかもったいない気がした。
なので恐らく自分が作ったであろう
見た目はドールハウスの空箱に入れた。
引き出しを今度は見てみると、
ラッピング済のベージュのマカロンと半円の箱、再び例の彼の写真があった。
彼の写真はさっき同様に空箱にしまった。
マカロンは貰った物か、渡そうとした物か分からない。
それにいつのか分からないので自分で食べよう。
味は…パッションフルーツ味だ!とってもおいしい!
ゴミを一時的にポシェットにしまおうと中を確認すると、
ミニクッションとそのままピンクのマカロンが入っていた。
私、そんなにマカロン好きだったっけ?
それも食べてみると、また絶品マカロン!
なんでこの二つが入っていたんだろう?
ゴミをしまい、次は半円の箱に取りかかった。
あれ?この箱鍵が掛かってる。鍵が見あたらない…。
また明日探そう。もう眠いし。
ベッドに行くとまた彼の写真が…。もういいや、眠いし。
一年で色々変わったんだなぁ
「お休み、ティッキー」
無意識のうちにそう呟いた。