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それから数日がたち、帰宅の許可が出た。
しかし検査やら何やらと忙しく、
帰ってくるのが22:30になってしまった。
後で聞いたのだが、一番始めに抱きついていた
彼女の名前はアルヤという名前で私の親友だったようだ。
数日たった今も記憶は一ミリも戻らないが、
日常生活のふとしたきっかけで思い出すかもしれない、らしい。
自分の部屋に入ると記憶にないものが沢山あった。
まず目に入ったのは写真。
友人と思われる人達の写真が貼られている。
中でもブロンド髪にエメラルドグリーンの瞳の同い年くらいの男の子の写真が
気味が悪い程に至る所に貼ってあった。
「いつから趣味が変わったんだろう。」
返ってくることのない問いをただ独りで呟く。
当たり前のはずなのに答えが返ってこないことにとても喪失感を覚える。
こんな気持ちになるのはなんでなのかわからない。
でも返ってないのが当たり前なんだ、そう自分に言い聞かせた。
あまりにも多く君が悪い為彼の写真を一つ一つ丁寧に剥がしていく。
捨てようと思ったけどなんだかもったいない気が…。
ふと周りを見ると、恐らく自分が作ったであろうドールハウスに目が言った。
よく見てみるとドールハウス風の空箱だった。
ちょうどいいや、ここに入れちゃおう。
部屋がかなり変わっていてもっと探索したい探究心が湧く。
寝ようと思ったけど…3日も寝たし大丈夫でしょ!
一番気になる引き出しを見てみると、
ラッピング済のベージュのマカロンと半円の箱、再び例の彼の写真があった。
彼の写真はさっき同様に空箱にしまった。
マカロンは貰った物か、渡そうとした物か分からない。
見た感じ傷んではしてないし食べても大丈夫だよね…?勿体無いし…
食べてみるとパッションフルーツ味だった。しかも信じられないほど美味しい…。
でもママとパパが作るのとは少し違う感じだった。一体誰が作ったんだろう…?
ゴミを一時的にポシェットにしまおうと中を確認すると、
ミニクッションと生でピンクのマカロンが入っていた。
私、そんなにマカロン好きだっただろうか?
それに生で入ってるの割れそうだし衛生面的に良くないのでは…?
ま、まぁ?食品ロスになっちゃうからきちんと食べますけどねっ!
あっ美味しそうだからってわけじゃないんだよっ!うん!
脳内で言い訳を並べながら食べてみると、ストロベリー味だった。これもまた絶品マカロン。
でもなぜこの二つが入っていたんだろうか。
ゴミを捨て、次は半円の箱を見てみる。
しかし開けようとしても全く開かない。見たところ鍵がかかっているようだ。
だが鍵らしきものも見つからない。
どこに置いたんだろう…。思い出そうと頭を撚るも全く思い出せない。
「ふぁ…」
もう寝ようかな、もう夜も遅いし。
ベッドに移動するとまた彼の写真が…。もういいや、眠いし。
一年で色々変わったんだなぁ
「お休み、ティッキー」
無意識のうちにそう呟いた。