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しばらく医者とお母さんの話を聞いていると、
医者が僕に気づき、話しかけてくる
医者 「優希くん、起きたばかりですまない。落ち着いて聞いてくれ。
検査した結果、閉じ込め症候群が判明した。」
僕は話すこともできず、考える。
閉じ込め症候群ってなんだ?僕はそんな病名聞いたことがない。
医者は説明を続ける。
医者 「閉じ込め症候群は瞬き、視線を向けるなどの動きしかできない。
でも植物状態と違って考えたり感じることができる。そんな病気だ。」
あー、わかった。わかったけど、どうするんだ?
僕一人じゃ何もできないじゃないか。ご飯は?トイレは?学校は?
全部どうするんだよ。1人じゃ何も出来ないだなんて、一生病院暮らしなのか?
僕はパニックになった。こんな事実に目を向けたくない。逃げたかった。
医者 「まだ治療法はない。ただ薬を飲ませる、これしかないんだ。
残念ながら動けるようにはなれない。」
今言わなくたっていいじゃないか、
なんで今全てを突きつけてくるんだ?心がないのか?
泣きたかった、でも思うように泣けない、感情表現ができない。
お母さんが我慢できないと言う様子で話す。
お母さん 「なんで治せないんですか!あんた医者でしょ!
たった1人の患者を治せなくて何ができんだ!このヤブ医者!」
医者 「お母さん、無茶言わないでください。気持ちはわかりますから。」
2人の言い合いが続く中、僕は考えることしかできないのに、考えることをやめて
ただ横たわっていた。
それからお母さんは疲れたように涙を浮かべながら病室を出ていった。
医者もまた後で来るといい、お母さんの後を追うように出ていった。
病室に1人残された僕はただ時間が経つのを待つことしかできなかった。