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「王様の病気はゼルゾア病の変異型です！治療薬を持ってきました！！王様は助かります！！」
反響する自分自身の声が震えているのが分かった。叫びにも似た私の声で止まったこの場にいる全ての人たちが１ミリも動き出さないことを願って慎重に言葉を続ける。
「変異型は治療薬だけでは効果がありません。この花が必要です！治療薬とこの花から抽出した成分を調合して王様に飲ませてあげてください」
王都へ到着したあと、異様に静まり返った城内の様子からこの状況を察知し、全力で走ってきたせいで息が上がって言葉が詰まる。
乱れた息を出来るだけ整えるようにゆっくりと呼吸をすると現状が見えてきた。
円を描くように多くの人が囲む中心へ目を向ける。首を差し出すような体勢のウィリアムの頭上に大きな斧が構えられている。
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