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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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ここは現代の平凡な田舎、交通機関も申し分なくとても住みやすい町

少し遠いが高校もある

そんな豊かな街に1人、優しい少年がいる

その子はみなを手伝い、嫌味も言わない

そんな優しい子

だがしかし

友達がいない

なぜなら、田舎町には子供は数人いたが大概が年寄りで同級生への接し方が分からないのだ。

そんな、可哀想な1人の様子を見てみよう

午前6:30分 

「んー…眠い……でも起きないとなぁ…でも…うー…」

そんなことを考えていると下から父の「早く降りてこないとお前の飯ないぞ〜」という声が聞こえた

「はーい!すぐ行くから待っててよ!」

ご飯を食べられたらたまったもんじゃない

お昼までお腹を空かせているのは嫌いだ

というか早く服に着替えないと…

「早く降りてこないとほんとに知らないぞー?」 

「行くってば!!」

ほんとに急かす父親だ

すぐに降りないと本当に食べられるかもしれない

早く食べに行こう

降りるといつもどうり新聞を読みコーヒーをすすっている父がいた

こちらに気づくと笑顔を向けてくる

父「おはよう」

「おはよ!」

父「ほら、冷めるぞ?せっかく父が休みの日にご飯を作ってあげたんだ、あったかいうちに食べなさい」

「はーい…いただきます!」

父は卵料理が上手い

どうやら死んだ母さんに褒められたから頑張って練習したらしい

美味い、美味しいんだけど休みの日はいつもこのたまごサンドだ

卵焼きが分厚いから顎が外れそうになる

その様子をいつも父は面白そうな顔で見てくる

父「ん?お前かぁさんからもらった耳飾りはどうした」

?何を言っているんだろう?耳飾りはここに……

「え?!」

ない、ない、ない!!

耳に着いていない!!

父「部屋に忘れてきたんじゃないか?」

「取ってくる!!」

父「こら!食事中に立ち歩くな!ご飯を食べてから取りに行きなさい」

「で、でも…」

父「でもじゃない」

「はい…」

あれがないと落ち着かないのだ

あれは…母さんが初めて俺にくれた耳飾りなのだから…

「ご馳走様!!」

父「お粗末様」

「それじゃあ取りに行ってくる!!」

父「おう」

父は一瞬俺の方を向きまた新聞に目をやった

部屋に戻ると机の上に耳飾りがあった

大きな黄色い花のピアスだ

初めは付けるのも怖かったし耳が重く感じ、痛かったが今はもう慣れた

…というか今の時間は…

そう思い、時計を見ると

7:10

「やっべ!!!!」

遅刻する!!

ドタドタと音を立て玄関に向かった

「行ってきます!! 」

そう言いながらドアを開ける

後ろから小さく

「行ってらっしゃい」

という声が聞こえた

「セーフ!!」

と下駄箱のところで声を出すと

ギリギリだけどな

という声が聞こえたので振り返る

すると後ろにいたのは担任である岡村先生だった

岡「今日は遅かったな…寝坊か?」

「いや…ぼーっとしてて…」

岡「そうか…というか早く行かないとホームルーム始まるぞ?」

「え”!」

岡「ほら、早く行けよ」

「はーい!!」

そう先生にいい俺はクラスの方向へ走った

後ろから

走るな!!

と声が聞こえたが流石に今日だけは仕方ないだろう

「おはようございます!」

息を切らしながらクラスに入るとみなビクッと方を震わせこちらを怯えるような目で見てくる

なぜだか分からない

俺だってそろそろ友達くらい作りたい

話したい

笑い合いたい

頼りあいたい

よし…今日は近くの子に話しかけてみよう

確か隣の子は松木さんだった

フランクに話しかけたら行けるだろうか

試す価値はある

できる限り笑顔で…

「ね、ねぇ!松木さん…だよね?」

松「えッあ…そ、そう…だよ」

「好きな食べ物ってある?」

松「ぷ、プリン!」

「そうなんだ!俺はハンバーグ!」

松「へ、へぇ…」

目が泳いでる、しかも震えてる…なんでだろう…笑顔のはずだしフランクだと思うのに…

もう1回話してみよう

「あ、ところで「よーしホームルーム始めるぞ〜」

話しかけようとすると先生が入ってきた

なんで俺はこう…タイミングが悪いんだろう…

学校が終わり夕方に差し掛かっており みな帰宅しているところだ

俺も部活を終え今から帰るぞ!という時に話し声が聞こえた

聞き耳を立てるつもりはなかったが言葉が少し聞こえてくる

平田  怖い   近寄りたくない

この言葉だけがききとれた

あぁ、やはり俺はみなに嫌われているようだ

この前だってなにか背中についていると言おうと話しかけただけで逃げられた

猫には引っかかれるし

何かを作ろうとすると焦げるし

どうして俺はこうも不器用なんだろうか

あぁあそこの前を通りたくない

仕方ない…裏口から出るか…少し遠回りになるがいいだろう

家までひたすらに自転車をこぐ

家まではまだまだある

そんなことを思っていると突然目の前に猫が現れた

「あっぶなっ!!」

急ブレーキを踏み猫の方を見ると驚いたように振り返りこちらを向いていた

驚いたのはこっちだそう言いたくて自転車を降りようとするとトラックが来ているのが見てわかった

動物を大事にしろ

そういう父の言葉を思い出し俺は道路へと足を踏み出した

瞬間

鈍い音と共に体に激痛が走った

あぁ血が出ている感覚がする

目眩がする

だんだん痛みが感じられなくなってきた

目が開けられない

体が動かない

俺は死ぬのか

父さんにただいまって言いたかったな

俺は母さんのところに行けるのかな

行けたらいいな

どうせ死ぬなら最後に猫の様子でも見てやろう

そう思い目を開けた

するのそこには…

あの猫と

見たこともない街が拡がっていた

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