君の背骨に棲みたい

※この物語はフィクションです。

実在の人物及び団体、事件などとは一切関係ありません。

---

〈File42：眼窩（がんか）の虚（うろ）〉

アタッシュケースに入っていたのは――。

「え……？」

人間の頭蓋骨だった。

頭蓋骨が、すぐ目の前にある。

その状況を理解できなくて、言葉を忘れたようにただ立ち尽くした。

ブラウンさんは頭蓋骨の入ったアタッシュケースを智世の方へ押しやった。

智世はブラウンさんを睨み、やがて諦めたようにアタッシュケースへ手を伸ばす。

ペンだこだらけの白い手が、薄黄色の頭蓋骨へ触れる。

智世の指は、はじめに恭しく頭頂部をたどり、やがて両手で掬うように頭蓋骨を持ち上げた。

それは丁度目の高さくらいで、眼窩の虚が智世を見つめ返しているに違いない。

「白人。頭蓋骨の形から見て北欧系だな。明らかに男性」

頭蓋骨を持ち上げ、智世はあらゆる角度から頭蓋＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

＊＊＊＊＊＊＊＊

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

＊＊＊＊＊＊

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊