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日本 side
突然、中国さんが真剣な顔で僕に言ってきた。
寝ぼけているって、どういうことだろう…
台湾さんが何か言ってる。けど、なぜか内容が入らなかった。
さっきまであった口の中のぱちぱちも、今は感じない。
「とっとと目を覚ますがよろし」
周りの人の声も、騒音も、何も聞こえない。
いつもより薄く開いている中国さんの目に、僕の姿が映っている。
「正直…我はもう疲れた、だからもうこの際言うアル。」
そう言うと突然、中国さんが僕の両腕を掴んでいた。
どうやら、無意識に手が僕の耳があると思われる場所をふさごうと動いていたらしい。
でも、一体なんで…?
「お前の兄達、日帝たちは、」
「いい加減、現実を見るがよろし。妹さんが可哀想アル。」
陸兄たちが死んでる?僕に妹がいる?
妹がいるのは別にそこまで驚かなかった。
でも、でも、っ、
陸兄も、海兄も、空兄もいないって、どういうこと?
いつから?遠い昔っていつから?
でも僕陸兄達のこと見えてるよ?なんで、なんで?
頭の中がぐるぐるしていて気持ち悪い、いろんな出来事が一気になだれ込んでくる
なに、誰、来ないで、言わないで、こっちを見ないで、やめて、
僕は今まで、誰と一緒に暮らしていたの?
誰とも、暮らしていなかった?
わからない、わからない…
「ちょ、日本!大丈夫…じゃなさそう、ちょっと中国!なんで今言ったの!?」
「…もう疲れたって言ったアル。聞いてなかったアルか?」
僕は目の前が真っ暗になった。
台湾 side
『……』
日本が倒れてから3日目。
あれから一向に目を覚まさない。
日本が倒れてしばらく目を覚まさなくなるのは、これで2回目。
前は確か…アメリカが日本に日帝たちはもういないって伝えた時だから…大体3年くらい前か。
その時からずっと幻覚を見ていたんだよな…
一回目倒れた時、あの時は大変だった、日本が寝て起きるたびに記憶が混濁して、幼くなったり冷たい態度になったりで…
にゃぽんに会う前の記憶で混濁がある程度安定したらしいけれど、にゃぽんが一番辛かっただろうな。
凄く仲がいい兄妹だったから…
「なにかきっかけさえあれば思い出せると思う」ってあの時の医者は言ってたけど。
今回はあぁならないで欲しいな。
なんてぼんやり思っていたら、危うく日本が寝てる病室を通り過ぎるところだった。
音をたてないようにゆっくり開ける。
…今日は他にも来ている人がいるらしい。
誰だろう、親日国の誰かだと思うけど
『…あ、パラオ』
「台湾!あ、あのね、ナイチが、」
「ほんと、ご迷惑をおかけしました…」
『……』
「あれ、えっと…台湾?」
『いや…思ったよりも起きるの早くて…前みたいに2週間くらい寝てると思ってたから…』
「パラオも凄くびっくりした…だってナイチ、記憶も全部戻ってるんだもん」
『え、…パラオ今なんて?』
「パラオも凄くびっくりした?」
『ちがうそのあと』
「記憶も全部戻ってるんだもん?」
パラオが言っていることが正しいのか確認しようと、日本の方を向く。
日本は頷きながら
「ちゃんと全部思い出したよ、兄さん達のことも、妹のことも。」
『そっか…よかった…』
『それはそうと、なんでそんな大事な事連絡しなかったの?』
「…あ、」
「パラオ、ナイチが起きたの嬉しくて、つい…」
僕は急いでスマホを開き、まずにゃぽんにLINEで「日本が起きた」って伝えて、そのあとグループLINEに同じようなことを一言伝えた。
多分アメリカ辺りはとんでくるだろうな。中国もなんやかんや心配してたし来るだろう。
仕事放り出してくるって返信してきた人もいるし…
「ハアッ、ハァ…起きた、って、本当なの、?」
相当急いできたのか、咳き込むほど息切れしているにゃぽんが来た。
学校から直接来たのだろう、セーラー服じゃなく学校指定の制服を着ていた。
「にゃぽん、ただいま。」
「ただいま、って、…え、」
「にゃぽんのこと絶対に一人にしないって約束、ずっと破っててごめん。」
「あ、…っ、もう、ほんとだよ、このっ、お兄ちゃんのばかぁっ!!!」
きっと二人で話したいことがたくさんあるだろう。
そう思って、パラオを連れて部屋を出ると、目の前にアメリカがいて危うく正面衝突するところだった。
その後ろには中国と韓国、フィンランドにシンガポールにフィリピン…
ほんと、いろんな国に愛されてるよね、日本って。
な、なんか気づいたら愛されみたいになってしまった…
でもまあ、親日国いっぱいあるし…ねぇ?(?)
てか結構急展開過ぎたかも。すみません。
それでは、次の更新でお会いしましょう。