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僕はヨルハ機体9号S型こと9Sです。

S型というのはスキャナーモデルのことで任務内容は現地での調査任務が主ですね。

だから大抵は1人で任務にあたります。

今回の243次降下作戦の事前調査で一足先に現地で調査をしていました。

本来ならば到着するであろう数機に僕が調べた工場内部のマップや敵の戦力情報などをデータにまとめて転送させる予定だったんですが……。

今回生き残った機体は一機のみ、そんな中で司令部からの任務通達は二機のみでの敵超大型兵器の破壊任務。

正直言って今回の任務では僕はほぼ戦力になれないんですよね……。

S型モデルは近接戦闘を想定して設計されていないので戦闘となるとハッキングで近接戦闘タイプの援護がメインになります。

単独での任務がただでさえ多いのにこういう司令部からの無茶振りもあるからか僕らS型は死亡率がヨルハの中でも著しく高いのってつまりはそういうことなんですよね……。

近接戦闘ができない代わりにハッキングらしいけど敵が多い場合使い物にならないんだよな…。

敵が少ない時はそっと近づいてハッキング個体をリモート操作することができたりとまぁ…潜入任務とかでは便利ではあるけども戦闘じゃゆっくりハッキングして…なんて出来ないですからね。

となると僕は必然的に2Bさんの援護に回るわけになるんですが…B型一機だけじゃまともに戦えないと思うんですよね…。

敵はなんて言ったって新型兵器、しかも大型。

B型一機だけじゃ敵の攻撃を流すだけで手一杯…もしかしたら僕ら二機で心中…なんてオチもあるかもしれない。

この任務は半ば賭けになるだろう。

9S「…」

ポッド153「推奨、事前調査任務のマップデータを2Bに転送」

9S「そうだね、2Bさんに通信を繋いで」

2B“こちら2B、どうしたの?“

9S「マップデータの転送をし忘れていたので通信で今転送しますね」

2B”了解“

通信越しに何かが羽ばたく音が聞こえた。

2B”……”

2Bさんが何かを見て立ち止まっている。

9S「どうしました?」

僕は飛行ユニットで敵兵力を削りながら通信を続ける。

2B“鳥は…自由だね”

その一言に重い何かを感じた。

思わず僕は聞き返した。

9S「鳥…ですか?」

ポッドが声を上げる。

ポッド153「推測、小型の鳥」

データを僕に見せてくれる。

僕の感想は白い翼を持った綺麗な鳥。

ただ綺麗…としか思わなかった。

通信越しでもわかる2Bさんの声のトーン、きっと何かを隠してる、そう考えながら僕はゆっくりと話した。

9S「鳥は僕らと違い翼がありますからね」

9S「どんなところだって羽ばたいで飛んでいけるんじゃないですか?」

そう問うと2Bさんは「そうかもしれないね」と一言返してくれた。

しばらく戦闘を続けていると2Bさんが僕に話しかけてきた。

2B”9S“

9S「はい?どうしました?」

2B”私に敬称は必要ない、2Bで…いい“

9S「!」

嬉しかった。

出会って間もないけれど、心が温まるような感覚を感じた。

9S「はい!2B!!」

僕は嬉しさのあまり声にまで高揚が乗ってしまった。

通信越しに優しい微笑みの声が聞こえてくる。

9S「2B…?」

2B”君は変わらないね“

少し嬉しそうに話す2B。

9S「なんですかそれw」

僕も釣られて笑ってしまう。

2B”感情を持つことは禁止されているけれどたまにはこうして笑うのも悪くないね“

そういう彼女の声は甘く優しく僕を溶かしていく。


それからしばらくして僕は工場外部を全て見終え終わった。

結果としては超大型兵器らしきものは見当たらず2Bからの連絡待ちだ。

2B“こっちも探索は終わったけれど目標は発見できなかった”

9S「そうですか…司令部が任務場所を間違えたんでしょうか……?」

地震のような振動が起きている。

2B“いや…ここであってるとおもうよ”

通信画面にノイズが走り突如2Bとの通信が切れてしまった。

9S「2B?…2B!」

ポッド153「通信状況の悪化を確認、超大型兵器による電磁波妨害が発生中」

9S「電磁波!?…なら早く2Bと合流しないと…」

僕は飛行ユニット最大出力で2Bのブラックボックス反応を辿って行った。




2Bのブラックボックス反応はここ近辺なはず…。

僕は低空飛行に切り替えて工場の狭い塔の隙間を飛び抜けていく。

視界が急に開ける。

すると大きな衝撃波を感じた。

9S「わっ!?」

シールドを展開して衝撃波を相殺する。

9S「これは…戦闘によるもの…!?」

衝撃波が飛んできたであろう方向を見るとそこには大型の機械生命体が立っていた。

あれが…目標の超大型兵器…!

9S「2Bっ!」

僕は超大型兵器に向け飛行ユニットに搭載されている小型ミサイルを発射させる。

敵に命中はしたが効果はあまりなさそうだ。

9S「ポッド、2Bのブラックボックス反応を検索!」

ポッド153「超大型兵器の正面で戦闘している模様」

9S「最短ルートでの自動操縦をお願い!」

ポッド153「了解、9Sはどうするつもりだ?」

9S「僕はアイツの側面についているミサイルの操作権を奪って敵の弱体化をさせる」

ポッド153「了解、自動操縦モードへ移行」

機体の操作権限をポッドに移譲させ僕は超大型兵器にハッキングを仕掛けた。

9S「ハッキング!」


データ空間へ意識だけが移動される。

目の前に立ちはだかる論理防壁を砕き敵のシステムへと介入する。

9S「防壁が弱くてよかった、これならなんとか間に合いそう…」

駆動系の回路に損傷を与え、敵のミサイル操作システムを奪う。

ポッド153「敵との距離、およそ500m」

ポッドの声で僕はハッキングを中断し現実世界へと戻ってきた。

敵は目の前、2Bが戦っているのが見える。

すると急に2Bが敵の上腕部に飛び乗りコアユニットへと駆け出していく、敵も2Bに反応してミサイルを発射させる。

2Bに迫るミサイルを僕はさっきハッキングした操作システムを利用し軌道を逸らす。

9S「敵ミサイル攻撃プログラム消去、ミサイル軌道修正、発射!」

宙に舞い上がったミサイルが僕のプログラムで敵のコアユニットの防壁へと飛んでゆく。

ミサイルが命中し敵の防壁が壊れる。

9S「2B今です!!」

2Bが高く舞い上がるのと同時に彼女の持つ白の契約がコアユニットにぶすりと刺さった。

敵超大型兵器は爆発しながら機能停止を起こす。

2Bが爆発に巻き込まれ倒した敵超大型兵器の上に落ちていゆく。

僕は飛行ユニットですぐに2Bの元へ飛び出した。

Restart Ending 『1』  連載休止(連載開始未定)

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