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何とか目的地まで辿り着き、安いパソコンやテレビを見ていると。
割とすぐ2人がやってきた。
「よしよし、ちゃんと待っていたのだ」
まるで犬相手みたいだ、というのはおいておいて。
「駅から離れているしわかりにくいけれど、ここはよく使うの」
疑問に思った事を聞いてみる。
「駅から離れている分、紛らわしいとか、他と間違うような心配が無いのだ。あと、このビルは上が模型やパソコンや電気屋で男性向き、下が割と安めのファッションが揃っていて女の子向きなのだ。父とは、よくここで待ち合わせるのだ」
なるほど、そういう訳か。
「ついでに言うと、こっちはここまでで、デパート等で御高めのブランドを見てきたところなのだ。そして、世間の流行と傾向を掴んだところで、これから買うか買わないか、ここにある、そこそこの値段の店で勝負に出るのだ」
つまり、これからが本番という訳か。
ちょっと嫌な予感がする。
「その通り、具体的には、ここの4階から地下まで見て、確認した後に、買うものがあれば上に戻るという訳なのだ。悠も付き合って貰って、下までお願いするのだ。
なお、ここはたまに父とも来たりするのだ。上の大きいプラモデル屋が父のお勧めで、父はあのフロアで、平気で2時間くらい潰すのだ」
なるほど。なかなか良く出来たビルだ。
ただ、さっきした嫌な予感が的中した。
つまりここで亜里砂さんは、父に2時間を潰させるような買い物をするという事だ。
そして今日も、ひょっとしたら、それ位のつもりでいるのかもしれなくて。
そして、それに付き合えと。
「何なら、上の模型屋で待っていようか」
逃げられるかどうかの確認をしておく。
「今度は本気モードなのだ。だから、服の感想とか、比べた場合はどうか、とかの判定も欲しいのだ」
逃がしてはくれない、という事か。
「さあ、皆で行くのだ!」
ちらっと、彩香さんの方を見る。
万が一の望みをかけて。
「悠君、よろしくね」
駄目だった。
逃がしてくれる気配、ゼロ。
つまり、ここからは本気モードの時速200メートル、という訳か。
「人生、諦めが肝心なのだ」
さらっと亜里砂さん、そんな事を言う。
今のは間違いなく僕向けだな。
完全な確信犯だと。
僕にとってはハイキングより辛い、疲れる散歩が始まった。