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夕方にスーパーに寄って、食材を少し買ってマンションに帰ってきた。
ちなみに亜里砂さんは、食材の他に手提げ紙袋を2つ。
彩香さんも紙袋を1つ下げている。
つまり、誘惑に負けて散財してしまった訳だ。
「だって頭子や葉耶麻で買うのより安くて、こんなに可愛いんだよ」
彩香さんは力説していたけれど、食費等は大丈夫だろうか。
魚はまだあるけれど、野菜が厳しい。
夏になると野草も筋張ってきて、いまいちになるし。
ささやかな夕食が終わると、ファッションショーが始まる。
いや、僕に披露しなくても。
そもそも買う時に僕も選ばされたんだし、充分見ているよと思うのだけれど。
「どうですか。こういう感じは、今まで持っていなかったのですけれど」
確かに可愛い。
青系統のシンプルなワンピースだけれど、上品でお嬢様っぽく見える。
ちなみに似たデザインを、横で亜里砂さんが着ている。
こっちは紺色で、色白な亜里砂さんに似合っている。
うん、確かにこれも可愛いな。
同じ学年だけれど、彩香さんより少しお姉さんに見える。
体型や身長の差だろうか。
「どっちも、よく似合っているよ」
取り敢えず無難に答えておく。
まあ亜里砂さんは、表層思考が丸見え。
僕が考えている事は、全部わかってしまっているのだろうけれど。
「という訳で、この服は大事にしまっておくのだ。持ち帰る時までにシミでも付いたら悲しいのだ」
買った服は取り敢えず、彩香さんの洋服ダンスに入れておく。
そして、その後。
「ついでだから、夏休みの宿題も今のうちにやっておくのだ」
という話も出て。
一緒に取りかかろうとして、初めて気づいた。
「何でA組の宿題は、こんなに少ないのだ」
同じ学校で1学年2クラスしか無いのに、宿題の量が違った。
A組は、各教科総花的に網羅したプリント10枚のみ。
B組は、それに問題集が3冊余分に付いてくる。
薄手の問題集だが、プリント10枚に比べるとかなり量が多い。
「不当差別なのだ。ヘイトスピーチなのだ」
いや、ヘイトスピーチは関係ない。
「でもわからないところがあれば、悠君が教えてくれるし、頑張りましょう」
「何で、彩香では無く、悠が教えるのだ」
「前に私の教え方はわからないって言われたから。わかっている事が前提になっているって」
「なるほど。では、宜しくなのだ」
そんな訳で、宿題作業も始まる。
何か、夏休みだなあ。
そんな事を感じる夜だ。