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「っうわぁぁあああ!?!?!?いいいいぎりす!?!?っなっ何でここに_」
「やっぱりここに居ましたか、、忘れ物をしていたので届けに来ようと、あと貴方の具合が悪そうだったので。」
「!ふ、ふーん?何?イギリスのくせに僕の心配でもしてくれたの?」
「、、、悪いですか」
っあーもうそういう不意打ち辞めてくれ。まじで。心臓がこれ以上無いぐらいにバクバクしている。もうそろそろ限界だ。手の熱さが伝わらないように受け取って、しまったらすぐに俯いた。バレてはいないだろうか。
十数秒の沈黙のあと、部屋に突然物音が響いた。ピッ、ガシャン、という無機質な音がして、ぱっとそちらを見ようとした瞬間、頬に鋭い熱さが走る。
「ぅ熱っつ!?!?」
「、、上げますよ、それ。全く私の奢りなんて数世紀に1度あるか無いかぐらいですからね。感謝してくださいよ。」
受け取ったそれは手に収まるくらいの缶コーヒーだった。普段はあまり飲まないけど、今貰ったこれは宝物のような、そんな特別な感じがした。久しぶり、いやもしかしたら初めてかもしれないコイツからの優しさに、胸が温まる。でもそんなのは自分だけで、他の奴らには普段からこうなのかもしれないと思うと少し寂しい、なんて。
「、、、、、ありがと」
「貴方が私に素直な感謝をするなんて、世も末ですね。 ぱっと見た感じ熱は無さそうですけど、、、様子もおかしいしもしかして何かあったんですか?」
「んーーっ、と、、、夢見が悪かっただけ、だよ。寝不足なんだよね。 それでちょっと今日おかしかったのかも、」
「夢、、、どんな夢だったんですか?」
いや言えるわけねーだろ!!!お前に告白される夢見ましたーなんて!!!口が裂けても!!!
「えーっといや、悪夢では無いんだけど、、、その、、、、、、、告白される夢っていうか、、、」
「告、白される、、、、、、」
「誰とは言わないけどね、誰とは」
「、、、!これはどこかで見た話ですけど、夢はその時に感じていた願望や願いなどが反映されているらしいんです。 まさかフランス、好きな人が、居るんですか、、、?」
「、は、!?えっぇーっと、」
「ーっえっだっ誰ですか!?もしかして他の国の、?周りだとドッドイツ!?スペイン!?それともイタリア、!?、ヨーロッパじゃないならままさか日本!?アメリカ!?」
両肩をガシッと掴まれて大きく前後に揺さぶられる。何をそんなに焦ってるんだコイツは、てか顔近い、他の奴の名前出すな、んな訳ねえだろ好きなのはお前だけだよ馬鹿、そんなに取り乱すな、あと顔近い!!!体近い!!!いい加減離れて!!!
色んな感情が入り交じって、混乱して、揺さぶられて、つい口に出てしまった。
「っ、いやお前だよ!!!!イギリスだよ!!!夢に出てきたのも僕の好きなひ、と、、も、、、、、」
「、、、え?」
「、、あ」
やってしまった、と瞬時に悟った。目の前には、夢で見たそれとは違う大きく見開かれた目。2つの視線が交わるが、あの甘い空気とはかけ離れた雰囲気が二人の時間をしばらくの間止めていた。
「っっごめん、!」
そんな魔法もつかの間、僕は勢いよく体を引き剥がして逃げるようにその場を去った。後ろから声が聞こえた気がしたけど振り返れなかった。イギリスの顔は見たくなったけどもうあの空間にこれ以上居れる気がしなくて。
ああ、傍から見れば今、凄く惨めなんだろうな。夢と現実の差が酷く苦しくて、泣きそうになりながら廊下を駆け出した。