小さな約束 ～主セニャの放課後日記～

数日後、イレブンとセーニャは学校の後、待ちに待った一緒に過ごす「特別な日」を迎えることになった。この日は、二人にとって初めての約束の日であり、お互いにとって特別な意味を持っていた。

「今日は、私たちだけの時間だね。」セーニャは、学校が終わった後、イレブンと一緒に帰る道を歩きながら、嬉しそうに言った。

イレブンは少し照れたように笑いながら、「うん、ずっと楽しみにしてたんだ。」と答えた。「セーニャちゃんとこんなにたくさん時間を過ごすのは初めてだし、ちょっとドキドキしてるよ。」

セーニャは、イレブンの言葉を聞いて少し驚いた様子で、「イレブンくんもドキドキしてるんですか？」と、微笑みながら尋ねた。

イレブンは頷きながら、「うん、だって、今日はセーニャちゃんとの特別な日だろ？こんなに嬉しいことって、少し恥ずかしくなるくらいだよ。」と答えた。

セーニャは照れくさい顔をしながらも、イレブンの言葉に嬉しそうに笑顔を浮かべた。「私も、すごく楽しみです。」

その後、二人は近くの公園に向かうことに決めた。公園には広い広場があり、木々の間を通る風が心地よく吹いている。イレブンとセーニャはベンチに座り、しばらくゆっくりとお互いの顔を見つめながら、特別な時間を過ごしていた。

「ねえ、イレブンくん、もしも私が今日、ちょっと変なことを言ったら、笑わないでいてくれる？」セーニャは少し不安そうに、けれど真剣な表情でイレブンに尋ねた。

イレブンはすぐに優しく答えた。「もちろんだよ、セーニャちゃん。何を言っても、僕は絶対に笑わないよ。」

セーニャはその言葉に少し安心したように笑顔を浮かべた。「ありがとう、イレブンくん。実はね、ちょっとだけ、気になることがあって…。」

イレブンは驚きと興味を持ってセーニャを見つめた。「気になること？」

セーニャは少し照れながらも、勇気を振り絞って言った。「私、イレブンくんともっと、もっと仲良くなりたいなって、ずっと思ってるんです。だから、もしよければ…今日は、イレブンくんにお願いしたいことがあるんです。」

イレブンはその言葉を聞いて、心がドキドキと鳴り響いた。セーニャの表情はとても真剣で、彼女の気持ちが伝わってくるのがわかる。

「お願いしたいこと？」イレブンは少し困惑しながらも、優しく返した。「どうしたらいいか教えてくれる？」

セーニャは深呼吸をし、少し顔を赤らめながら言った。「もし、イレブンくんが嫌じゃなければ…今日は、手をつないで帰ってもいいですか？」

その瞬間、イレブンの心は止まったように感じた。手をつなぐ？セーニャと手をつなぐなんて、今まで考えたことがなかった。でも、その瞬間、セーニャの真剣な瞳を見て、イレブンは心から答えた。

「もちろん…それは嬉しいよ。」イレブンは少し恥ずかしそうに、けれど温かい気持ちで答えた。

セーニャはその答えを聞いて、嬉しそうに顔を輝かせた。「ありがとう、イレブンくん！じゃあ、手をつないで帰ろうね。」

二人は手をつなぎ、並んで歩き出した。手のひらが触れ合う感触は、最初は少し照れくさかったが、すぐにその温もりが心地よく感じられるようになった。

歩きながら、セーニャはイレブンにふと話しかけた。「イレブンくんと手をつなぐと、すごく安心するんです。なんだか、イレブンくんが私を守ってくれてるみたいで。」

イレブンは少し驚きながらも、微笑んで答えた。「僕が守るなんて、大それたことはできないけど、セーニャちゃんが安心できるなら、これからもずっと手をつないで帰るよ。」

セーニャはその言葉を聞いて、嬉しそうに目を輝かせた。「本当に？じゃあ、ずっと一緒に帰ろうね、イレブンくん。」

二人はそのまま、手をつないでゆっくりと歩き続けた。今日という日が、二人にとってさらに特別なものになったことを、心の中で感じながら。

次回もお楽しみに。