コメント
0件
ci「すまん、最後に名前聴いてもええか?」
そう聞かれた瞬間、今までのことがフラッシュバックしてきた
刀を擦り付け合った事、その刀で彼を守った事、鬼として彼を騙した事。
俺を仲間として笑いあってくれた事
楽しかった。ほんまに楽しかった
そんな思い出も彼にとっては作られた記憶に過ぎない
紅が消えたことによって2人ともこの空間で記憶を保つことが難しくなったのだろう
今までの思い出は作られた記憶に消えていく
夢の中の出来事は夢の中で収めとかんとな
俺は質問に答える代わりに彼を押し出した
でも、ちょとぐらい希望を持ってもええよな…!
今度は夢の中じゃなくて普通の仲間として
syp「来世もショッピって呼んでな」
この名前も、お前も最高やったよ。
不思議そうな顔をする彼が落ちてくの見つめる。きっと俺が言ったことは伝わってないな、まぁええか…いや、これでええんや
気を取り直して、しれっと彼らに見えない位置に蹴り隠した偶像に目を向ける
さっきと変わる様子もなくゆらゆらと浮き続けるそれは、ほんまに2人も封印したとは思えないほど呑気に見える
こんな呑気なやつにずっと暮らすのも悪くないな
俺はなんの迷いもせず、偶像に触れて最終手段に取り掛かる
syp「俺を封印する代わりにしゃおさんを元の世界に戻してくれ」
これが俺がやりたかった事。こんなことあの二人の前でやったら絶対止めらるやろな…
もうこの異界に後悔もない。さっさと封印してくれ
………
……………
………………………あれ?
なんで封印されないんや…?壊れた?まさか人数制限あったパターン?
それか、しゃおさんの願い事が…俺の願いを無効にしてるとか…?
あの人封印される直前何考えてたんや??
ムズすぎるって、
封印して貰えないとなると…もう俺にしゃおさんを救う事は出来ない
……………
…………………守りきろう
この偶像は俺が死ぬまで絶対守る
異界の秩序を守るためにも、しゃおさんを守るためにもこれは守りきらないといけない
まさか わいが紅と同じ事をする事になるとは…
この空間のお陰で歳が変わることは無かった
ずっと子供のまんま
1度、紅のことを調べるためにここから出ようと壊れた戸の先を覗いたが
そこは俺の知らないボロボロの和室になっていた
先に進むのが怖すぎるので出ることはせずこの薄暗い空間で過ごす
出たい気持ちもあった。でも、ここから出た瞬間 年老いて死んでしまったら、そう考えてしまう度に足が止まる
大丈夫、俺はここで一生過ごす覚悟は出来ている
まだ耐えれる
まだ…
たえ れ
なあ、偶像。どうして俺は封印して貰えなかったんや
「しょっぴくんが封印されてまうのはダメや」
そう言う事か…もっと早く教えてくれよ
しゃおさん。
「やっと声が届くようになったんよ、」
伝えようとしてくれてたんすね
「せやぞ……もう逃げ出してもええって事をな。こんな辛い思いしてまでこの偶像を守る価値なんて無いで、」
でも、紅もそこに…
「それならもう大丈夫や。もう動かない」
そーっすか、
それなら、最後に俺の願い聞いてくれますか…
「封印以外の願い事なら聞くで」
しゃおさんを元のs 「それは無理やな。俺がここから出ちゃったら願い事叶えられんくなる」
…なら、この負の連鎖を止めてください。封印もされない、ただの猿の偶像に…してください
「……ええで。」
。。。。
「よし…!出来たで」
変化無さすぎて信用ないっすね
「そこはいくら演出が地味でも信じろや」
ww…これでやっと開放されるって考えると最高やで。ありがとなしゃおさん
それと………救えなくてごめんな
「まだ気にしてるんか、俺は全然気にしてへんで!あっ1つお願いしてもええか?」
なんすか、
「この偶像、あそこの崩れ壊れた空間に捨てて欲しんよ」
あそこと言うのは、はるか前に巨大な偶像との戦いで床が破損してそのままになってるあの場所。
そう、あの二人が元の世界に戻るために使った場所だ
「しょっぴくんも、この偶像の事なんか忘れて残りの人生を楽しんでや」
……わかりました。
正直断りたい。こんな形で元の世界に返すことになってしまったことに悔しさと申し訳なさでいっぱいになる
…最後ぐらい自分の住むべき場所で暮らした方がええよな
そっと偶像を持ってあの場所へ持っていく
「ここまでありがとな。」
こちらこそ。
「またな!」
この言葉を合図に俺は手を離した
残りの人生…か、
もう来世のことを考えるのも悪くないな
syp完結
封印される数秒前____
体が圧縮されるような、初めて感じる圧迫感と息苦しさに意識が持ってかれる
あっ、これ死んだわ
そのまま『次の話を読む』を選択してください。