テラーノベル
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「どうしてそんなことを言うの?」
男は吉田の顔をなぞりながら続ける。
「俺の愛が伝わってると思ってたのに」
「知るかよ。誰がお前のそばにいるかよ」
男は明らかに不機嫌そうに吉田の顔をのぞき込む。
それはまるで獲物を見るかのような目つきだった。
「…吉田くんの顔って綺麗だから、傷つけたくなかったけど」
男はそっと立ち上がり近くに立てかけてあった鉄パイプを持ち出してきた。
吉田は異様に光るそれを見た瞬間、少し怯んだ。
「あれ?怖がっちゃった?可愛いね」
寒気がする。
こんな知らない男に可愛いなんて言われるなんて。
「1回分からせてあげないと、ね?」
ガシャンッ
振り上げられたそれは、勢いが落ちることなく吉田に降りかかった。
「い”っ…、ハッ…あ…」
「いいね、その顔。ギャップ」
「…!触んじゃねぇ!」
「いいの?そんな反抗的な態度。今自分の置かれてる状況わかってる?」
そう言って男はおもむろに吉田に鉄パイプを突き刺すように何度も振りかざした。
「あ”ぃッ……、ッあ”」
「吉田くんはただ俺のそばにいればいいだけなんだよ?」
「…ッ、俺、の傍はあいつら、だけで充分ッ…くぁ”ッ」
「まだ言うの」
何とか痛みに耐えていたその時だった。
プルルルル…
俺の携帯がまたうるさく鳴いた。
「また?誰かな…あ、さっきの。佐野くん」
「…!」
プルルルル…
プルルルル…
ピッ
『そこのお前、仁人になにした』
「どうしよう、出ちゃったよ」
男はコソッと耳打ちで話しかけてくる。
「ッハ…手を、出すな」
「そばに居てくれるなら、ね?」
『きいてんのか』
「…!勇斗っ、今すぐ、あ”ぁ”ッ」
「静かにしてよ?」
男はスマホを床に放り投げ、鉄パイプを何度も何度も叩きつけた。
「電話もしつこいし、こいつら先にやっちゃった方が良さそうだね」
「…!?そ、それはやめてッあぅ”」
「何度も言ってるじゃん。俺のそばにいてって。そしたら手は出さないから」
「わか、たから…!だか、らやめてッぅあ”ッ…いるから”!あいつらには手を出さないでッ…!」
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