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7月15日
オランダから人形を貰った。
出来がよく、自分なんかが貰ってよいのかと心配になるほどだ。
大切に扱おう。
7月20日
オランダに会って食事へ行った。
彼のおすすめのレストランに行ったが、
とても美味しかった。
また行きたい。
8月1日
この季節になると暑くなってきた。
夜中も蒸し暑くてたまらない。
たまにとても薄い服で寝てしまう時があるのだが、止めておいた方がよいのだろうか…?(笑)
8月2日
なにか、視線を感じる時がある。
安心して過ごせない時がある程だ。
…気にしすぎなのか…?
窓から日光が差し込み、ランプの灯していない薄暗い部屋に明かりが入る。
息荒く呼吸をするスペインは得体の知れないモノの恐怖に怯えていた。
(ここ数週間の間、どこに居ても視線を感じる…。)
ス)なんなんだよ…!
外に居ても、家に居ても、夜寝るときも。時間も場所も関係ない視線に精神はとうに
すり減り切っていた。
気のせいだ、と自分に言い聞かせても何も変わることは無い。
広場にだって行かなくなった。
そして、震える声で言う。
「…人…なのか…ッ?」
信じないようにしていた。
けれど、それは毎日恐怖に纏わりつかれていたスペインにとっては意味のない事であった。
これがもし本当ならと考えると背中が凍りつく。
その時、
コンコン
ス)ビクッ!!
な、なんだ…?誰なんだ……?
怯えながら、玄関へ向かう。
ス)只の人だ…なにも怯える必要はないじゃないか…。
そうは言いながらも恐る恐る扉を開ける。
オランダ)やっほ~!ごめんねいきなり!
スペイン)オ、ランダか…。
オ)なんだよぉ~、嫌な言い方~
ス)い、いや、そういう訳じゃないんだ…
(オランダか…、…相談しても良いのかもしれない… )
ス)…あの…ごめん、いきなりなんだけど、相談乗ってくれないかな…?
オ)ん?勿論!
ス)ありがとう…!
手招きを、しながら少しやつれた顔でオランダを家の中へ入れる。
そして、いつも使っている小さめの円卓に座らせる。
オ)…それで、相談って?
いつもの不安を和らげるような声で質問した。
それに、少し溜めて返す。
ス)…最近、ずっと誰かに見られてる感じがするんだ…
オ)…?、なるほど…?
ス)どこでも、どんな場所でもするんだ…
恐怖の混じった震える声で話す。
誰かに会うことに対する怖さを押し殺し、
今までの事を、全て。
オ)…うーん、それってさ、ストーカー…じゃない?
ス)ストーカー……?
オ)そう、なんでするのかは分かんないけど、
オランダ曰くストーカーらしい。
確かに、外で感じるならそれが当てはまる
だけど、何故夜中も…?
その疑問をオランダにぶつける。
ス)な、ならなんで夜も感じるんだ…!!
少し強く言いすぎたかもしれない、そう思いながらも感情に振り回される今は気にしている余裕すらなかった。
しかし、オランダはそんなこともきにせずに淡々と喋る。
オ)ストーカーなら家だって特定するでしょ?ガチだったら夜中だってつけてる可能性もなくはないよ。
ス)…そうなのか…。
オ)まぁ、もし不安ならいつでも頼ってね!
ス)あぁ、ありがとう。
元気な声が少し気持ちを落ち着かせた。
相談に乗ることもありなのかもしれない。
そう思った。
すると、
オ)あ、そうそう。これお裾分け~!
ス)ん?
オランダが手さげ籠からみずみずしそうな
洋梨を出す。
とても美味しそうだ。
オ)これ近くの農家さんから貰ったんだけど、 ちょっと量多かったからあげる!
ス)わぁっ…!ありがとう!
オ)貰って貰って~!
そう言い梨を別の袋に入れ、スペインに渡した。
そして、梨を台所の冷蔵庫に入れオランダを外まで送り届ける。
ス)今日は相談乗ってくれてありがとう。
梨も貰っちゃったし…!
オ)全然いいよ~!ストーカー、気をつけてね…!!!
ス)わかった
オ)じゃあね~!!
ス)Nos vemos!
夕日で赤く染まった通りを歩くオランダを
見えなくなるまで見送った。