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ち ょ こ れ え と  (ノベル版)

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ち ょ こ れ え と (ノベル版)

10 - 君の為。 ー 🐑🍫

♥

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2025年03月16日

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君の為。 ー 🐑🍫



「は、ははっ…」


乾いた笑い声が夜空に響く。



「追い詰められちゃったあ」


「はあ …. はぁ …… 」

「動けば … 打つからな、」


カチャ、拳銃を構える警察官。


「 … 大人しく従うわけないじゃん?まだ逢えてないし。」


そう言い残して私は飛び下りる。


「あっ、おい!」



これから先のことなんて考える余裕なんかない。

ただ運に任せて落ちるだけ。


どうか死にませんように、と。




_______



ドンッ



鈍い音がなった。


ああ、良かった。 運よく屋根の上に落ちたみたいだ。それでも背中は痛いけど。


「行かなきゃ」


ボソリと呟き、夜空に向かって走り出す。


後ろからパトカーのサイレンが聞こえるけど、

そんなのいちいち気にしてたら君に逢えない。



早く、早く逢いたい。「久しぶり」って言いながら、彼を思いっきり抱きしめて____



ガシッ



!?


腕を掴まれた。


ゆっくりと後ろを振り返る。

そこに居たのは




ずっと逢いたかった君だった。





「ヒロ、くん … 」


予想外の出来事に思わず目を見開く。


「久しぶり。」


「 ……. 久しぶり、」



君の懐かしい声に涙が溢れる。


「 … 逃げてるんでしょ?」


「うん」


涙を流しながら頷く私。


「 … そっか。」


それ以上は言及してこなかった。


ヒロくんの優しさは何時も変わらない。

相手を思いやることを第一に考えているところとか、本当に大好きだ。



「 …… 」


そっと抱きしめられた。


「 … ひ、ヒロくん」


「 ……… 」

「もう泣かないで。」


「 … うん、ごめん」


「俺と一緒に逃げよう。」


「 … え、?」


「小さな街で …… 2人だけの世界で、ゆっくり暮らそう。」




「ごめん、ヒロくん」

「それは、出来ない。」


「 … どうして?」


「私 … 犯罪者だよ、 」


「 …….. 」




こんな私と居たら、君まで穢れてしまうだろう。


本当はそうしたいけど、今逢えたことだけでも十分幸せだ。これ以上、望んではいけない。



「聞いてもいい?」


「何を、?」


「 … どんな犯罪を犯したの?」


「 ….. 私、ヒロくんと離れた後、マフィアに入ったんだ。」


「え、マフィア?」


「うん。だから、何人も … 殺してきた。」


自分の手を見下ろす。

そう、この手で … ボスの命令通りに、数々の人間を殺してきたんだ。


「 …… そっか。」



首にぶら下げている懐中時計を見る。

23時54分。約束の時間まで後6分しかない。


ヒロくんに逢えたことだし、もう行かなくては。



「ごめん、私もう行かなきゃ。」


「 … せっかく、また逢えたのに。」


「ごめん … また、会ってくれる、?」


「もちろんだよ、君がどんな犯罪者だったとしても、俺は君はずっと愛してる。」


かぁっ、と頬が赤くなるのが感じた。

幸いにも、辺りは暗かったのでヒロくんは気づいてないみたい。


「あ、ありがと … また、ね」


「うん、またね。」



______



私はマフィアをしている。


その理由は、



私の大好きな彼ヒロくんの命がかかっているから。



ヒロくんは持病持ちだ。

しかも、かなり厄介な奇病な為、治ることは無いだろうと言われている。そして、5年のうちに死ぬと診断すらもされている。





今の私が所属しているマフィアグループのボスは前職がかなり腕の良い医者兼科学者だった。



その為、マフィアに入ることを条件にヒロくんの治療をお願いした。


しかし、ボスからヒロくんの病気を治してくれる気は一切感じない。


騙されている。



けど、辞めれない。私はもう人殺しだ。 今更辞めたって神様は許してくれない。

それなら少しの希望にかけて、ヒロくんの命が尽きるまで悪人でいてやる。

______

早くしないと。

24時までにターゲットを殺す。これが私の今日の使命だ。




居た!



後ろを向いている、今がチャンスだ。



慎重に銃を構える。


「ふぅ … 」


軽く深呼吸をしてから引き金を引く。



パンッ



乾いた音が辺りに響いた。



貴方の人生を奪ってしまってごめんなさい。


その場で軽く手を合わせてから急いで離れる。

さっきの音で警察が来るはずだ。




そこから私は車に乗り、拠点へと戻る。


今日は一段と疲れた気がする。




次はいつ君に逢えるだろうか、


君の病気が治るまで、私は人を殺していく。



大好きだよヒロくん。











ばいばい~


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