lr×gt (BBB) 続きR無し
なんでも許せる人向け
前回に続きぐちさん呼び
『』→ぐちつぼ
「」→ぐちつぼ以外
ローレン視点
ぐちさんと飲みに行った日から毎日が楽しくて仕方ない。
メンバーのみんなに、ぐちさんの事が好きだってことを伝えたら複雑な表情を見せながらも応援してくれた。
カミングアウトをしたことで縛られる物がなくなった俺は毎日のようにぐちさんにアピールをしている。
ぐちさんが犯罪で活躍した時は終わった後ひたすらに褒めまくって、逆にトロールした時は笑いながらイジる。
可愛いと思った時は躊躇わずに言って、少し照れるぐちさんの様子を見てまた可愛いって言う。
好き、、、は照れ臭いし、何度も言うのは勿体無いから好きが止められなくなった時だけ言うようにしてる。
一方的な愛だけど、それでも十分幸せだ。
ぐちさんが不安にならないように、一生愛を伝え続けるって決めたんだから。
最初は何をしても何を言っても馬鹿みたいに照れてたのに最近は慣れて来たのか『はいはい』って適当にスルーされる。
悲しいような、それでいて気軽に愛情を受け取ってくれることが嬉しいような、絶妙な気持ち。
それから、いつか忘れたけどぐちさんが急に『言葉だけじゃ足りない。行動で伝えてくれないと。』って言って来た。
自分からなにかを要求すると思っていなかった。
ぐちさんが欲しいと思うもの全部あげよう。
だから沢山プレゼントを買ったり、送迎したり、ご飯あげたり、服を洗濯したり、犯罪前にマッサージしたりした。
そしたら『ただの執事じゃん笑』って笑われた。
俺からしたらぐちさんが喜んでくれることをしたいのにそれをしたら執事になってしまうらしい。
案外愛を伝えるのって難しいな。
言葉じゃ足りないって言うし、行動で示そうとしたら笑われるし、、、。
でも、そんなわがままでちょっと面倒くさいぐちさんが大好きだ。
そう思ってしまう俺は本当にぐちさんにぞっこんらしい。
朝起きて、ぐちさんのことを考えながらぼーっとしてた。
そしたら無性に会いたくなって来た。
ぐちさんの寝室に行ったら怒るかな。
そんなことを考えていたらタイミング良くぐちさんが起きて来た。
寝起き感満載で目を擦りながらリビングにくる。
「おはよーファイナル。」
『おはよ〜』
いつもの半分くらいの声量で言うとのそのそとキッチンに行き冷蔵庫の中を見つめ始める。
寝起きで頭が回ってないの可愛いなあって思いながらぐちさんの観察をする。
『ん〜、、、』
冷蔵庫の中を見ながら少し悩んで、結局冷蔵庫を閉めると近くに置いてあった食パンを手に取り焼かずにかぶりつこうとする。
「ちょっとストーーップ!」
『んえ?』
食パンが口の中に入る直前でピタリと止まる。
「そんなパン一枚でいいの?良かったら俺がなんか作るぜ。」
『え!まじでぇ?』
いつもと同じくらいの声量になったぐちさんは目をキラキラと輝かせる。
『最近焼かないパンばっかり食ってた。ありがと、ロレさん!』
その言葉に思わず頬が緩む。
飾らない笑顔のぐちさんが大好きだ。
「フレンチトーストとかどうよ?」
『うわ!めっちゃいい!』
「よっしゃ、まかせとけ!」
俺は冷蔵庫から卵と牛乳を取り出す。
料理を始めるとぐちさんが隣から手元を覗いてくる。
かなり熱い視線を感じて失敗は出来ないなってちょっとプレッシャーを感じた。
美味しいフレンチトーストを作らないと。
『すげ〜、、、手際良い、、、』
そう呟きながら夢中になっているのかどんどん距離が近くなっていく。
肩と肩が触れるか触れないかの絶妙な位置。
ふと横を見ると楽しそうなぐちさんの横顔があった。
こんな至近距離で見たことなかったな。
ちょっと近づけば頬にキスできそうな位置に俺の理性が試されている。
ぐちさんが不審な目をこちらに向ける前に俺は顔を背けて料理を再開する。
フライパンにバターを溶かし入れて次にパンを入れる。
卵と牛乳と砂糖をブレンドした液に漬け込んだパンはしっとりしてて強く掴んだらちぎれそうだ。
ジューと心地のいい音がして、バターの香りが鼻を擽る。
よくある幸せを描いたような光景に胸がジーンと温まると同時にこの時間が終わってほしくないと思った。
この時間が終わってまた一人一人自分の時間を過ごす。
そのことを考えると胸がチクリと痛む。
今が脆く感じる。
嫌われる時のことを考えて愛されるのが怖くなると言うぐちさんの気持ちが少し分かった気がした。
『もういいんじゃない?』
ぐちさんの声でハッとして急いでパンをひっくり返すと綺麗な焼け目ができていた。
「『おお〜、、、!』」
こんなに綺麗な焼け目は初めてだ。
感嘆して声を漏らすとぐちさんの声と重なった。
2人で顔を見合わせて少し笑った。
それから裏面もいい感じに焼いたらお皿に取り出して、熱いうちにバターを乗せて、メープルシロップを添えたら完成。
ぐちさんは子供のように輝かせた目で大きな声で『いただきます!』と言うとフレンチトーストにかぶりついた。
俺は料理人として少し緊張しながら反応を待つ。
『ん〜〜〜〜っ!うまっ!』
俺はホッとして力が抜ける。
『まじで美味い!最高!』
そういいながらものすごいスピードで食べていく。
みるみるフレンチトーストがなくなっていく。
『ごちそうさまでした!』
あまりの速さにちゃんと味わってくれたかな?という心配が残るけどまあいっか。
お皿を片付けようとするとぐちさんが慌てて『俺が片付ける!』って言って、半ば強引に食器を奪って行った。
全部が愛おしい。大好き。
キッチンではガチャンガチャン!と食器が豪快な音を立てている。
心配だから見に行こう。
ぐちつぼ視点
最近ロレさんからのアピールがすごい。
まあ悪い気はしないけど、普通に照れるからやめてほしい。
でもまだちゃんと好きでいてくれてるんだなって安心できるからやっぱりずっとアピールしてて欲しい。
そんな矛盾した気持ちを抱えている。
最近は朝にロレさんのことを考えることが多くなった。
何故だろう。夢にまで出て来ているのだろうか。
そんなことを思いながら寝起きで回らない頭をゆっくり起こした。
俺は起きるのが遅い。
きっともうアジトには誰もいないだろう。
と思いながら行ったらロレさんがいた。
さっきまでロレさんのことを考えていたせいか少し変な緊張が体を走るけどそれより眠いが勝ってしまった。
恐るべし寝起きパワーだ。
ロレさんと挨拶を交わして、ヨーグルトでも貪り食ってやろうと冷蔵庫を開けたらほとんど何も入っていない。
最近ヨーグルトを買ったはずだが名前を書いていなかったか。
名前が書いていないものはみんなのものだ、、、。
仕方なく食パンを一枚取り出しそのまま食べようとするとロレさんからストップがかかった。
聞くところによるとフレンチトーストやらを作ってくれるらしい。
よく言った。
俺は子供が好きなものが好きなガキ舌だ。
ソファに座って待っていようと思っていたが、あまりに鮮やかな料理につい目が釘付けになった。
夢中になって工程を見る。
ふと、隣を見ると真剣な顔をしたロレさんがいた。
やけに集中しているのを見て、ああ本当に俺のことが好きなんだなって思った。
優越感で少し口角が上がったのは内緒だ。
目が合いそうになったら気まずいから凝視するのはやめておこう。
俺は手元に目線を戻す。
なんだか、平和だな。
そう思うのは甘い匂いがするせいなのか、それともロレさんの隣にいるからなのか。
まあ、どっちでもいいか。
なんとなく、答えは分かっている。
幸せな雰囲気にあてられてふわふわしてたらいつの間にかフレンチトーストが完成していた。
バターの香りとメープルシロップの滴るトーストが、今日の1日が最高の1日になることを保証してくれる。
ソファに座って、大きな声でいただきますを言ってフレンチトーストにかぶりついた。
ふわりとした食感に、噛むとジュワッとバターの風味。
すごく、すごく甘い。
『ん〜〜〜〜っ!うまっ!』
そう言うとロレさんは安心したようだ。
これは、俺には作れない。
いや、俺だけじゃない。ロレさん以外、誰にも作れない。
それに、俺以外誰もこの味を味わうことは出来ない。
それくらい特別な、俺への愛の味がした。
胃もたれするくらいの愛の甘さにお腹も、心を満たされた。
『ごちそうさまでした!』
それから食器洗いまでしようとするロレさんから食器を奪ってキッチンにいく。
乱暴に扱っている訳じゃないのに大袈裟な音を立てる皿にビビる。
同じくビビったのかロレさんが様子を見に来た。
見に来たはいいものの手持ち無沙汰になったロレさんは調味料達をいじっている。
こんなに美味しいフレンチトーストを作ってくれる。
いつも愛を伝えてくれる。
そんなロレさんに俺は何も返せていない。
仕方ない。本当はもうちょっと後に取っておくつもりだったけど言ってもいいかもな。
『ね、ロレさん。』
「どうした?」
『俺さぁ、最近ロレさんからの愛を素直に受け取れてる。』
「、、、え?」
『前までは愛されるのが怖いって言ってたけど、ロレさんになら愛されてもいい。』
「、、、ええええええええ!?!?急に!?!?」
『ふははっ笑 まあ、いいじゃん?笑』
本心だ。
ロレさんが愛を伝え続けてくれたから、怖くなくなったんだ。
「えっ、てことは、付き合える、、、ってこと!?」
『それはまだ。』
「ええええええ??!!」
『愛を受け入れれるようになっただけでまだロレさんのことが愛せてないもん。』
「オッケー、でも一歩前進!最高だよファイナル!」
俺はなんか小っ恥ずかしくなってきてお皿を洗って濡れた手を振ってロレさんに水滴を飛ばす。
「おおい!」
『あははっ笑』
広いアジトに2人の声だけが響いた。
ロレさん、俺今幸せだよ。
それに、最近ロレさんの好きなところいっぱい見つけてるんだ。
俺はさっき食べたフレンチトーストの味を思い出した。
いつか、あれより甘いフレンチトーストを食べさせてあげたいな。
完!
これ以上書けないのでこのお話は完です!
2話目むずかしい。
コメント
1件
最高すぎる、、!!!2人とも幸せになって良かったーー!!