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「小説?私書けないよ」
「小説、ラノベ、日記、とりあえず自分の思う物語とかの文章を書けばいい。」
「じゃあちょっと書いてみようかな」
「そ、じゃあ俺学校あるから」
「うん、出来たらメッセージ送ってもいい?」
「了解、」
つまり、いいってことだよね
?
「シズクさん、学校まで送ります。」
「ありがとうございます、木下さん」
「ねぇ、悠一。」
「ん?」
「私の中に物語、あるかな」
「あるだろ、事故にあって幽霊見えるようになって」
「確かに、ありまくり」
「それを書けばいいんだろ」
「多分ね」
「悠一、」
「ん?」
「勝手に成仏したら呪うから」
「もう死んでるよ」
「は?!さっさと成仏しろ!このバカ!」
「一瞬で矛盾した…」
「遅れました…」
「シズクか、お仕事お疲れ様。今体育だからみんな体育館だぞ」
雨乃夜。私の兄。
高校勤務の国語科兼担任教師。
「兄さん、次国語?」
「そ、もう終わるから国語の授業準備してろ」
「んー、」
お兄ちゃんが高校勤務でテストとかズルしてない?とかはもう聞き飽きた。
そんなズルしてバレてら面倒くさいし、タレコミをされたら声優業に支障をきたす。
「あ、兄さん。次のテストの日なんだけどちょうど仕事で京都だから別日に受けたい」
「わかった、申請出しとく」
「ありがと」
「シーズク!舞台挨拶見たよぉ!宮瀬深琴!かっこよかった〜! 」
「琴乃、私の話じゃないよね? 」
「あ、ばれた?」
琴乃は私の唯一の親友。中学からの中でスポーツが得意。
「琴乃、この前の課題出してなかったぞ??」
「え、ほんと?」
「ほんとだほんと、早く出せよ!」
「ごめんて夜さん!」
「先生だっての」
「あはは 」
楽しそう。
私には何歩も足りてない。
楽しくないわけじゃないのに、どこか寂しくてどこか足りない。
穴の空いたセメントの様に。
「シズク!この後暇?」
「5時から仕事」
「さすが売れっ子声優〜、」
「もう木下さん迎えに来てるみたい」
「今度お休みあったよね?その時パンケーキ屋さん行かない?あ、でも休みたいよね?」
「琴乃となら気にしない」
「やった!」
「じゃあ行くね」
「うん!バイバイ!」
「バイ」
明日のスケジュールは…ん、深琴からメッセージきてる。
このアプリ小説書く時使える?
私は深琴からおすすめの小説投稿アプリをインストールした。
「シズクさんあのアニメのオーディションどうします?」
「あ、はい受けます」
「分かりました、台本貰っておきますね」
「ありがとうございます」
「あ、そうでした。宮瀬さんの小説アニメ化するらしいですよ?」
「アニメ化…」
「それでシズクさんに主人公の役が来てるんですけどどうします?」
「私にですか?私でよければやらせて欲しいです」
「伝えておきます」
なんだろこの気持ち。
前にもこんな感覚になったことがある。
悠一に感じたこの気持ち。
私はメモアプリにこの気持ちを書いた。
書いている途中から分かっていた、この気持ちが嫉妬と言うことを。
深琴は才色兼備でなんでも出来る。
悠一もそうだった。
深琴が言っていた文章に表すと感情を感じやすいの意味がやっとわかった。
この劣等感を誰かに…ふとそう思ってしまった。
題名は「仮面の下の後ろめたさ」
「最近はどうなの?シズクちゃん」
「そーですね、最近はありがたい事に忙しくさせてもらって…勉強がってなってます」
「そうだよね〜!高校生だもんね!」
「そうなんですよ〜」
正直ラジオは苦手だ。
同世代ならまだ話せることはある。
年代や出演作の違い、それが重なってしまうとやりにくい。
「最近空き時間に何やってるの?」
「勉強と自己レッスンと…色々してますね、今日は気持ちを文章に書くっていうのをやりました」
「気持ちを文章に?なにか心境の変化でもあったの?」
「私がヒロインを努めさせていただいてる作品で共演している宮瀬深琴くんに感情をどうやって表してるの?って聞いたらこのやり方を教えてくれたんです」
「宮瀬くんねー!」
「とゆうことで、なんと!鮮日の映画化が決定しました〜!」
「あ、シズクちゃん上手く繋げたね〜」
「はい!とゆー事で次回のラジオのゲストは宮瀬深琴くんです!お楽しみに〜」
「大変です!シズクさん、この前のラジオで文章の下りあったじゃないですか、それを聞いた編集者の方が小説を出さないかって!」
「え?」