『お前がいない日常』
1話 違和感
※ミステリー?
※マサ光
光「…ん」
光は眠い目を擦り体を重そうに立ち上がる
朝の太陽は憂鬱な俺の気持ちも知らないと言わんばかりに白く俺を照りつける
このまま眠りについてしまいたいがそう上手くはいかない
学校と言う名の牢獄へと足を運ばないといけないのだ
朝起床、朝食、学校、家に戻る、そして寝る
その繰り返し何も変わらない平凡でつまらない日常。
そんな日常にあきあきする
何も楽しくない、学校なんて1番つまらない
決して友達がいないという訳では無い
ただ少し性格が陰なだけで、友達に有能なギャルがいるだけで(?)、俺の能力がただ光るだけで…
まぁ、かと言って別に学校に支障がでるわけでもない
ただ同じことの繰り返し、楽しくないつまらない平凡な日常の繰り返し
だが少し前、少し前まではなぜか世界が変わってみえるような面白くて楽しい日常を送っていたような気がするのだ
そんなことを考えているうちに学校へと行く時間が迫ってくる
結構やばいかもなと呑気に考えながら下に降りていく
歯を磨き、制服に着替える
もう家を出ようと玄関で靴を履いていると後ろから姉ちゃんが近づいてきた
美春「ひかるー朝ごはん食べないの?」
光「うん。時間ないから」
美春「そう、気をつけて〜」
光「うん。行ってきます」
姉ちゃんたちはたぶん
俺に気を使っているのだろう
そう初めて思ったのはいつだろうか
たしか高1 の初め
それから俺は変わってしまったんだ
俺の変化に家族が気づいてこの日から、人生がころりと一変してしまった
この時には感情が薄れていって笑い方も忘れてしまった
なぜか心にぽっかりと穴が空いてしまったような感覚に陥りこの穴を埋められる何かをずっと探している
何かが足りない
何かを忘れている…
ずっと考えている
その、何かとはなんなのか。俺は一体何を探しているのか。
そうこうしている間に学校へ着いてしまった
学校に足を入れた途端
体がずんと重くなった、またつまらない日常が始まるのかと思うともっと体が重くなる
教室に着くと
いつものどおりの個性的なクラスメイトががやがやと騒いでいた。
俺は自分の席に座りスマホをポケットから取り出す
別にスマホが面白いという訳でもない
ただ憂鬱な気持ちを紛らわすためだけにスマホを見ているだけだ
ポチポチと適当にスマホをいじる
イヤホンを耳につけようとした途端
後ろから聞き覚えのある声がした
その声は俺の性格とは真逆で
元気ではきはきと耳につんとくるような刺激的な声、落ち着く声。
絶対に聞いたことがある声
心臓がドクンと鳴った
俺は反射的に後ろを振り向く
そこには誰もいなかった
光(あれ…絶対いると思ってたのに)
……ん?どういう事だ?
自分の言葉に違和感をもつ
絶対いる?何が?誰が?
俺は何を期待して後ろを振り向いたんだ…?
光「…俺ちょっと疲れてんのかな」
その日はあの声の事をずっと考えていた
聞き覚えのある、落ち着くような声
なぜかずっと頭の中から離れない
授業中もその事を考えていたので板書も何も写していないし、何も聞いていなかった
丁度帰りのホームルームが始まった、担任が教室に響く大きな声で話していた
担任「明日からは冬休みだが、調子に乗らず計画的に勉強するようにー」
ひかる(あー、明日から冬休みか…)
興味が無いので全然知らなかった
だが学校で授業を受けるより家でぼーっとしている方がマシだ
まぁずっと暇になってしまうが
いつなの間にかホームルームが終わり
教室が騒ぎを取り戻す
人が落ち着いてから学校出ようとまたスマホを取り出そうとポケットに手をつっこむ
だが、ポケットの中には何も入ってなかった
左かなと左のポケットの中も確認する
…やはり入っていない
少し焦りを覚える
カバンの中も見たが何も入っていない
どこかで落としたのか
今日は災難だらけだな
一応トイレも見るかと席を立とうとした途端
右からトンと1回肩を叩かれた
こんな緊急事態になんだと思いながら右を向くとにこりと笑いながらぴかるーんと話しかけてきたギャルたちがいた
ひゅっと一瞬過呼吸になりかけたが
冷静を保ち何?と返事を返す
未来「いや、ぴかるんこれ探してるかなって」
そう言って未来がポケットからずっと光が探していた自分のスマホが出てきた
光「え、なんで持ってんの」
未来「ぴかるんがさっき落としてた」
光「あ、まじか。さんきゅ」
未来にスマホを返してもらい
ポケットにしまう
光は今すぐこの場から立ち退きたかったのでお礼を言ったあとカバンを持ち逃げようと足を動かしたが運悪く呼び止められてしまった
未来「ねえ、ぴかるん」
光「な、何」
へー子「うちら。ぴかるんに話したいことあるんよねー」
未来「そそ。あ、告白じゃないから」
光「……………うす」
今すぐにでも家に帰りたいのになぜ俺はまだ学校にいるんだ
ギャルたちに話があると席に戻された光
黙ってイスに座っていた光は早く終わらないかなと思いながら待っている
すると未来が先に口を開いた
未来「あと1人足りないよね」
光「…え?」
どういうことだ?
あと1人?誰か来るのか?
するとへー子が未来に続くようにわかるーと話す
この場でわかってないの俺だけ?
光「え、ごめん。どういうこと?」
未来「いや、だから、もう1人足りないよね」
へー子「ぴかるんも思ってるっしょー。何か忘れてるみたいな感じ」
見里はよくわからないが平の言葉でようやく分かった
2人は俺と同じことを考えていたのだ
何か忘れているような
何か足りないような感覚
なぜか少しほっとした
光「……うん、同じずっと考えてた。」
へー子「やっぱねー」
未来「んで、今その事についてしらべてんだけどさ。」
へー子「名前思い出そうとしてたんだけど出てきそうで出てこんよねー」
未来「そうなんよ。たしか苗字が黒、黒、くろー、ク、クロちゃん?」
へー子「違うなーw」
2人はふざけながら話している
確かにそんな人いた気がする
黒、黒、くろ、黒?
思い出そうとすると思い出さないでくれというように頭が痛くなる
何かが引っかかるように
未来「とりま、確認できてよかったわ」
へー子「進展あったら教えるねー」
ギャルたちがカバンを持ち軽い足取りで教室を出ていく
なんだったんだ?
だが2人のおかげで今の状況を再確認出来てよかった
やはり俺は間違ってなかった
誰かを忘れている
だが思い出そうとすると引き止めるように頭が痛くなる
絶対何かある。そう信じて立ち上がり教室を出る
外はまだ雪は降ってないが流石に寒い気温が低く吐く息が白い
もう一度考えたが
どうやって思い出そうか
そもそもなぜ、俺たちはその人のことを忘れてしまったのか。
俺の空いた穴の正体はその人なのか
…考えても分からない
光「あー…」
…明日から冬休みか
ならまだ時間はたっぷりある
俺は何かを思い出すために見つけ出すために行動を起こすことにした
終わり
新しい投稿をしてみましたー*ˊᵕˋ*
誤字などはご了承くださいm(_ _)m
ゆっくりと投稿していくのでよろしくお願いします˙ᵕ˙
コメント
9件
こんにちわなりきりしませんか?
マサくんだよぉ!
あ好きこちょさんの小説マジで好きです!!!