テラーノベル
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第10話 売却後
端末が静かに光る。
完了。
短い表示。
余計な音はない。
画面の上部にある名前が変わる。
見慣れた綴りが消え、
数字だけが残る。
【111】
一度、瞬きをする。
もう一度、画面を見る。
そのまま、カメラを起こす。
角度を整える。
配信が始まる。
数字の名前で、手を振る。
呼びかけは短い。
画面を切り替え、
結果だけを映す。
コメントが流れる。
速い。
拾わない。
端末を戻し、
一息つく。
次の画面。
告知の文字。
数字が並ぶ。
途中で伏せる。
指で机を軽く叩く。
二回。
うなずく。
視線を上げ、
端末を見る。
言葉は少ない。
淡々と進める。
配信を終え、
カメラを止める。
部屋に静けさが戻る。
端末の通知が一つ。
新しい名前での反応。
画面を閉じる。
立ち上がり、
窓を開ける。
外の音が入ってくる。
もう呼ばれない音が、
遠くで消えていった。
残ったのは、
数字と、
続いていく日常だった。
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