次の日の朝、
『おはよう!』
「おはよ!」
いつも通り莉子と登校し、それぞれの教室に入る。
ガラガラ
『おはよう、ボソッ』
誰にも届かない挨拶は、
静かに消えた。
だが、
「おはよー!」
背後から聞こえた渡辺くんの挨拶は、輝いていた。
そして、彼の額が私の肩に乗っかった。
寝てるな、なぜここで。
すると、一人の女子がこちらへ向かってきた。
橘玲奈だ。一軍のオーラが凄い。
私の目の前に立つと、
上から下まで、鋭い視線で見られた。
「翔太ね、どこでも寝ちゃうんだよね、」
『そうみたいですね。』
「いつもこうなの、昔から。」
これは、女王様の威嚇だ。
「翔太は私の」を遠回しに伝えている。
でも大丈夫、
私は渡辺くんをどうとも思ってない。
「翔太!起きて!」
「んー、、」
私は何を見させられてるんだ。
でも、一つだけわかった。
橘さんは、渡辺くんが好きなんだ。
渡辺くんがどうかは知らない。
だけど、二人はお似合いだ。
私が立ち入ってはいけない。
橘さんは渡辺くんを席に座らせ、
自分のいるべき場所へ戻った。
一方、渡辺くんは男子たちに絡まれている。
すごく眠そうだけど、笑
すると、再び橘さんが私のもとへ来た。
そして、
「翔太はあなたのことを好きなわけじゃないよ、」
と言って戻った。
わかってる、そんな風に思われることぐらい。
私と渡辺くんは釣り合わないんだよ。
授業中、
渡辺くんは睡魔と戦っている。
見る度に、目をパチパチさせたり、
ほっぺをつねったりしている。
ノートもしっかり書いている。
そして、時々目が合えば、
微笑んでくる。
なんか苦しい、
この苦しみは、
きっと、渡辺くんのせいだ。
コメント
4件
釣り合わないなんて思わないで!!
もう罪な男とは、このことだなw