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最推しと別れた後、ノロノロと歩きながら耳垂れた姿が想像以上に可愛くてニヤケながら頭の中で何度もループしてると。ふと次の授業が飛行術だと思い出して急いで向かった。
「ま”に”あ”っ”だぁぁ」
ギリギリ間に合ってゼーハーと荒い息を立ててると筋肉ダルマのバルガス先生に体力が無いなら肉を食えと大声で言われた。ゲームの中だったら、煩いマッスルおじさんだなとあまり気にしなかったけど改めて直で言われるとそのご自慢の筋肉を削ぎ落としたくなる程ムカつく。まぁ思ってるだけでしないんだけどね。
ふぅと湧き上がった怒りを抑える為に息を深く吐くと、アズールくんが近づいてきた。
「やぁ、アズール」
「こんにちは。貴方ずっと何処に居たんですか?」
「移動教室中に僕と遊びたいって図体だけがデカい弱小動物達が絡んできたから植物園で遊んでたんだ」
「……ノーコメントで」
「あはは。そしたらさ、キングスカラー先輩に遊んでる所見られちゃって次の授業まで少しお話したんだ」
「よく砂にされませんでしたね」
「確かにそうだね」
「まぁ例えキングスカラー先輩と戦ったとしても戦闘狂の貴方の事ですから多分大丈夫そうですね」
「えぇ〜酷くない?」
「はぁ…少しは否定して下さい」
ドン引きした顔で見られるけど何も間違ったこと言われてないから否定できないよ。
代わりにニコリと微笑むとアズールの顔色がわるくなった。
ーーーーー
授業も全て終わり、待ちに待った生のリーチ兄弟との会話をできる時が訪れた。
アズールが朝話した通り話し合いをする為、リーチ兄弟の部屋に行くとポツポツ会話しながら歩く。
今の自分の頭の中は、こんなのニュースでよく見るアイドルの交流握手会みたいなものじゃないか!!やばい、興奮する!!!と心の中で叫んでいた。
残念ながら自分の表情は制御出来なかったらしい。
「ミヤビさん、口元気持ち悪いですよ」
「失敬、リーチ兄弟と話せると思うと嬉しくて」
「そんなこと思うの貴方くらいでしょうね」
「そうかなー?」
老若男女誰だって美しい者とは会話したいってのが生物の心理じゃないのかな?
まぁ、アズールは元々美人だし関係なさそうだけど。
「アズールはリーチ兄弟と同じで綺麗だからね」
「へっ!?あっ貴方なっ何いってんですか!!」
「えっ、本当だよ?」
「〜〜〜恥ずかしい人ですねっ/////」
タコみたいに真っ赤な顔をして黙ってしまった。
この学園、顔で入学選んでますかってくらい美形しか居ないし、脇役のモブ達だって元に居た自分の世界だったらアイドルとかで余裕で人気でそうなくらい顔が良い。特にポムフィオーレ寮生達。
すると黙り込んでたアズールが止まって喋りだした。
「ミヤビさん、着きましたよ」
「おっ、ここが楽園ですか」
「違います。さっさと入りますよ」
コンコンと扉をノックして入室した。
「フロイド、ジェイド入りますよ」ガチャッ
「あ〜アズールじゃーん」
「おや。後ろにいる方はアズールが言っていたミヤビさんでしょうか?」
うわぁ生リーチ兄弟まじで威力えげつなぁ。
画面越しでも強いのに生だと危険だわこりゃ。
「やぁ、初めまして。僕はカオル・ミヤビだ」
「俺はフロイド。隣はジェイドね」
適当〜!!そんなバブい所も可愛いけどね。
「ごほん、自己紹介も済んだ事ですしモストロラウンジの話をしますよ!」
「「「りょーかーい、了解しました、はーい」」」
それから話し合いが進み休憩を挟むとフロイドが思い出したかのように話す。
「あ!そうえばアズールが言ってたヤバい奴探したんだけどそんなヤツいなかったー」
「残念ながら僕の方も居ませんでした」
アズールが言ってたヤバい奴って誰だろ?
「ヤバい奴ってなに?」
「なんかオクタヴィネル寮生がサバナクローの奴をボコボコの返り討ちにして金巻き上げてるって噂になってんの」
「それもその人に絡んだサバナクロー寮の生徒は恐怖で部屋から出られなくなったらしいですよ」
「へ、へぇ(自分だな)」
アズールの方を見ると気まずそうに目線を外された。
まぁ、あのプライドが高いサバナクロー寮生達が自分から弱小生物に負けた事を色んな所に流してるとか想像するだけで面白いけどね。
怖がるフリしをして、手で口元を隠しながら小さく笑うとアズールが気づいて手を叩く。
「はい!この会話はここまでですよ。
察知能力が高い貴方達でも見つけられない程ヤバい奴って事でしょう。ミヤビさんが代わりに入られますしその話はもう無かった事にします」
「「わかった〜、了解しました」」
それから話し合いが再開して、店を出すのは11月にしようという話になった。
その後は4人で楽しく雑談してるとアズールが同じ1年の寮生に呼ばれて出ていってしまった。
それから3人で盛り上がっていたが頭の隅では、さっきアズールを呼んでいた奴の目がドロっと濁っていて嫌な予感がしたから探そうと立ち上がる。
「そろそろお菓子無くなってきたしミステリーショップで買ってくるよ」
「えークマノミちゃんが行くなら俺もついてく〜」
「僕もお供しますよ」
この短時間で懐かれたのかフロイトとジェイドに両サイドからギュッと抱きしめられた。
「お、あ、いいよ」
あまりにもの衝撃で断れなかった。
アズールを探すんだから断れよと自分でも思いながら3人でミステリーショップまでの道のりを歩いていると、遠くからアズールの小さい声が聞こえた。
僕は急いで2人を置いて行ってその聞こえた場所に向かう。
「アズール!!」
「だっ、誰だ!!」
「!!!?」