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「……やめた方がいいですね。こちらも暴走と波乱。さっぱりと手を打たないとどんどん悪化していきます。どなたも助けてくれません」
「そんなぁあああああ、どれだけナツにお金を……」
……お金、あらぁー。ケチな夏彦は敦子にお金をもらってたの? なのに我が家にもお金を入れてくれず……あ、もしかしたらそのお金で息子の学費払ってくれてるのかしら。
私もわかるわ、敦子さん。うちの夫も仕事もしてお金もあるのに家には最低限のお金しか入れてくれなくてー。
私立に無事合格した息子は俺の勲章だーと息子にはお金をかけてくれたのよ。
おたくの息子さんみたいに親からの愛情に飢えて心身ともにボロボロになった落ちこぼれの息子さん……いや私の倫太郎を陰で虐めてた章介くん。
もう手遅れね、こんなお母さんなんて。
あ、気になったけど敦子の夫の方のカードには豊満な女性が描かれたカードが出てきたけど……他で女と子供いるんじゃないかしらー。知らないけど。
微笑む口元は彼女には見えない。
敦子は錯乱したまま時間延長は断って出て行った。
ケチ。
私がSNSで私の占い広告を懸賞投稿に混ぜて投稿したらすぐ食いついてきたの! ほんと藁にもすがる気持ちだったのかしらね!
「SNSを見たら初回30分無料!」
に食いついてわざわざ住んでいる郊外から都会のここにやってきて。
パート休んだのかしら? ねぇ?
……本当自己顕示欲強くて情報開示ズブズブの女と夏彦が繋がっててよかったわ。
私は机の下の録音機材を止めた。
「先生、お疲れ様でした。かなりエネルギーのある方でしたからお疲れでしょう」
そう声をかけてくれたのは誠也。私の好きなルイボスティーを持ってきてくれた。好きなの、この香り。
「ほんと……それに声色を変えてたから喉がしんどい」
「はちみつもお持ちします。あと30分後にまたみえますから」
「ありがとう……気が利くわね」
「いえいえ」
ほんと誠也は夏彦とは違って気が利く。マスクをしているがその下にある容姿を見たら誰もが羨む美形。身長も高くスタイルも良い。
こんないい子が敦子みたいな女やどうでもいい女に奪われてしまったら……。
そんなの考えたくない!! 誠也は私だけのもの、本当に本当に素敵な誠也。
「先ほどの敦子さん、有益な証拠が揃いましたね」
誠也も事情は全て知っている。衝立の後ろでも聞いててくれていた。
「ええ……でもまだ不十分」
SNSの投稿も全て保存済みだ。
「多分ああいう我が強いタイプ苦手だと思いますよ、大抵の男性は」
「……そうよね、私も無理」
「では弁護士先生に連絡しましょう、今回の証拠でどこまでいけますかね」
「……どれもこれもやめないことで全てがダメになるわね……敦子さん」
私は机の上のカードを見て微笑んだ。