テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
1件
お疲れさまです、にじりさん。読ませていただきました。 「泣く資格なんて無い」と思いながら、それでも呼吸が荒れてしまう――その自己矛盾の描写がとてもリアルで、胸が締め付けられました。特に「フラッシュバックする発言の数々が全部『なんで』に帰結する」感覚、自分を客観視しすぎて涙すらも計測してしまう主人公の距離感、そこににじりさんの繊細な心理描写が詰まっていると思いました。 そして現在の“連絡がつかない”状況。“二の舞”という言葉が、過去と今を静かに結んでいて、不安がじわじわと広がっていくようでした。続き、気になります。大切に読ませていただきますね🌷
死に直面した。
何も思うことがないまま、日常を浪費して生きていた。自分事でさえも雑に扱って、適当に生きてきた。夕方、たまに空を見て写真を撮っていた。一緒に歩いたのも懐かしい。テスト期間に、君は重い荷物をしょっていた。すっかり暗くなった町の、国道沿いの歩いた。車通りが多くて、お互いに大きな声を出していたのに、ほぼ聞こえなかったな。テストが終わったらこの辺またうろつこうなんて約束もしたっけ。……その時とその後の心は違うから実行されることはなかったけど。
全てが消え去った気がした。
誰の話をしているのか分からなかった。
言葉だけじゃそんなものは信じられるわけはないのに。
言葉だけの情報が頭に入ってきて、信憑性のないそれが読み込まれて、理解を拒んだ。
だって、そんなわけはないと思った。
有り得てはいけないと思った。
あの時の言葉は?全部嘘だった?
いや?そんなわけはない。
先生が何か言っているがそんなものは知らない。
体育館の床に目が張り付く。聞きたくなかった。当たり前に。
危うく泣きかけたが、しばらくしたら引っ込んだ。
なんだ、薄情な人間だな。
教室に戻る前にトイレに行った。
さすがにだめだったみたい。
涙は全然出なかった。泣けない?やっぱり薄情じゃないか。
言葉だけで突きつけられた現実を飲み込もうとするなんて、なんて馬鹿な。
それなのに考えは止まらなかった。止めなかった。
フラッシュバックしていく、発言の数々。
それらはどれもなんでに帰結していた。
自分が泣くためにそれを思い出しているのかと思う。
息を吸う音が苦しそうだ。泣くのか?涙は出ていないが。きっと呼吸が上手くできていないから涙が出ている。悲しみからの涙は無いのか。人でなし?
無駄に苦しそうな荒れた呼吸がトイレに響いていた。
「大丈夫?」
人に呼ばれた。
「一緒に会議室行こうか」
外に出ようとしたら、もう荒れた呼吸は何も無くなっていた。……全部演技だった?そんな気がする。
どこまでも無神経なやつだ。
会議室にはそこそこ人がいた。まばらに座って、みんな鼻をすすっている。
「じゃあここ座ろっか」
促されるままに席に着くと、ティッシュ箱が置かれた。
「きつかったら帰ってもいいからね」
軽く頷くと先生は後ろに戻って行った。
ほら、悲しんでる人がこんなに居るよ、なんて思う。きっと届いて居ないのに。ここにもう、居ないというのに。
純粋に好きだった訳ではない。恋愛的に好きでなかった。なんというか、複雑だった。なんとなく嫌だな?と思うことも多かった。精神状態によっては、その人より友達のことの方が全然好きだったくらいだ。だからきっといつも酷く傷つけていた。なのに泣く?おかしくないか?筋が通らない。泣く資格なんて無いはずなのにな。
あんまり涙は出ない。ただの客観視のしすぎだ。いつもの癖。試しに校長の言葉を思い出してみたけど、なんだ、涙出るじゃないか。薄情じゃないかもしれない。……いや、適応が早すぎるのか?君が言っていくれたな。
振り返れば振り返るほど君はいい人だった。ぞんざいに扱って本当に悪かったなと思う。今更無駄なのに。
…………二の舞はごめんだが?
なぜ連絡がつかないんですかね。ねえ。元気にしてたじゃないか。ただの放置癖なら別にいいんですが、電話にも出ない。ぁー、これじやただの追いLINEじゃねーか。
「ほんとに不安になるからさ」
目の前の友人が本当に酷く不安な顔をしていた。
「そうだねー、でも考えるだけ無駄だから」
別に、人の心配をすることを無駄だと言っているわけではない。人が亡くなってしまったのでは無いか、という心配をすることが無駄だと言っているんだ。だって、そんなものに意味はない。大体、本当にそうだったらどうするんだよ。無駄に考えて不安に襲われて、不安なんてものに時間を奪われて、それが自身の望むことなんですか?違うだろ。
そんな、辛いことを自ら行わなくていいだろ。なんて苦しもうとするんだよ。考えなくていいだろ。
きっと突き放したような薄笑いを浮かべていたと思う。薄情な顔。温度差で風邪が引けそうだよ。
……連絡がつかなくなって3日経とうとしていた。今日は日曜日。学校に電話してみようかな。
ダーミラとクンピ
73
#叶わない
とりぴぃ〜
16
とりぴぃ〜
54