※この物語はフィクションです。
実在の人物及び団体等とは一切関係ありません。
〈10話〉
「アリス」
ウサギの顔がやけに近いな、と思ったときには、もう唇が合わさっていた。
体温も分かち合えないくらい、ほんの少し、触れるだけの重なり。
離れたと思ったら私の顔をじーっと見つめて、ウサギが満足げな吐息を零す。
そして薄く開いた唇で、ちゅうっと私の唇の表面を何度も 啄(ついば)んだ。
「すきだよ」
唇の先を触れ合わせたまま、ウサギが囁いた。
項(うなじ)の辺りを柔く撫でられて、うっとりと目を閉じると、今度はしっかりと唇が重なる。
ウサギの熱い舌先が私の唇の隙間をくすぐった。
「ン……」
強請るように歯列をなぞられて、思わず唇を 綻(ほころ)ばせる。
すぐに忍び込んで来たウサギの舌が、縮こまっていた私の舌の輪郭をそうっと撫でた。
擦り合わされる舌が熱く**********************
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