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…Ωのヒートによるフェロモンにあてられたαの殆どはその感情に逆らえない、欲の奴隷となる。
どこかで見たことのある言葉を思い出し、思わず視線をmmさんと隣の男に戻した。
男の人はΩなはずなのにスタイルも顔も良くて、お似合いだな、なんて考えてしまった。
周りの人が集まりだし、抑制剤を分けてくれる人が現れた為、私はmmさんにバレないようにこっそり抜け出した。
たぶん、あと5分もいたら、あの男とどうなっていたか分からなかったから。
運命は残酷だ
私が築き上げてきたこの関係を、一瞬で運命に理不尽に壊された。
生まれて初めて失恋を経験した瞬間だった
◆
家に着いても、夜が明けても、ずっと泣いていた。
何も連絡がないスマホを見て、少し引っ込んでいた涙は再び姿を現し、私はすごい顔になっている自信があった。
一通り泣いてから、連絡先をブロックした。
…勿論、mmmrメンバーも。
『 …これからどーしよっかな 』
まぁ、もうどうでもいっか。
◆
あの日から1週間たった日のことだった
ピンポーン
なんて、インターホンの馬鹿げた音が家に鳴り響いた。
宅配なんて頼んだ覚えがなかったから、少し不安になりつつもドアを開ける。
ie「 …お久しぶり、です 」
その声は、聞き覚えがある声だった。
『 …へ、あ、その声… 』
ie「 あー、あの、mmmrの…」
思わず尋ねようとして、遮られるように話された言葉にハッとした。
『 あ、えっと、iemnさん…? 』
ie「 はい。 」
こちらが動揺しているのを気にも留めず、強引にiemnさんは家に入った。
まともな好青年に見えて、意外とこういう人なのだ。
しかし、靴はしっかり揃えられていた。そういう所から育ちの良さというか、人柄が滲み出てて憎めないんだと思う。
『 あ、ちょっと…!! 』
彼はそのままリビングに入っていったので、それを追って私も入った。
いやほんと強引だな!?
◆
ie「 先日はすみませんでした。」
ie 「 ltさんだと思ってなくて…というか、途中で居なくなってるし、連絡はブロックされててまともにお礼も言えてなかったので… 」
『 えっと…なんの話してます? 』
全く想像のつかない、話をされている
いや、思いつきはするものの、中々信じられそうにない。
だって、それは…
ie「 俺、Ωなんです。1週間くらい前に、mmさんと一緒に助けてもらいましたよね 」
…マジか
『 …ごめん。その話、あんましないで欲しい、です 』
なんとなく、気まずかったので顔を逸らした
そんな私を見ても、iemnさんの視線はずっとこちらから離れていなかった。
ie「 心配してましたよ、mmさん。急にいなくなったって。連絡もつかないし 」
『 いやまぁ、捨てられたも同然かなって。私があのmmさんと付き合っていくのが苦しくなっただけです。』
……それに。ここに来たのがiemnさんな時点で、答えはでている。本当に心配だったなら、普通本人がここに来ないか?
ie「 そんなことは無いと思いますよ 」
『 そんなことが有るんですよ。さ、帰った帰った!今日はわざわざありがとうございました 』
私は無理やりiemnさんを追い返した
ちょっと変なとこで区切ってごめんなさい。
早く更新したかったです
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