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私はその日も薬草を煎じたり、調合したりと忙しかった。
すると、午後にエリアス様がいらっしゃった。
「エリアス様!
お久しぶりでございます!」
「えぇ。
ちょっとあなたに診ていただきたいのよ。」
「と、申しますと?」
エリアス様はドレスの袖を捲り、腕を見せた。
そこには、赤くなりぷくっと膨らんだ膨疹が腕中に出来ていた。
「今日の朝食事してから、身体中が痒くてたまらないわ…
なんなのかしら、コレって?」
「恐らく食べ物のアレルギーから発生した、温熱性蕁麻疹かと思われまする。」
「オンネツ…
よく分からないけれど、治るのかしら?」
「はい。
消風散という薬を飲んでいただければ、治るかと存じます。
ただ、原因の食べ物は把握しておいた方が良いかと思いまする。」
「原因の食べ物…
何が悪かったのかしら?
今日の朝食はエビのクリームパスタだったのだけど…」
「あぁ、ならば恐らくエビが原因かと思われます。
甲殻類でアレルギーを起こす方は多いのでございます。
以降はエビは避けるべきかと…」
私は言う。
「ありがとう、流石の名医っぷりですわね。
そういえばシャルルダルク様は今日はいらして無いのね。」
「は、はぁ…」
私は言葉を濁す。
「あら、あなたまた喧嘩したの?」
「え、えぇ…
それが、カクカクシカジカで…」
「お金で買えないもの、ですか。
ふふふっ、シャルルダルク様らしい言い方だわ。」
エリアス様が少し笑ってそう言った。
「お金で買えぬ物とは、一体何なのですか???」
「それは…
私が教えるのは簡単だけれど、きっと自分で考えて気づくべきよ。」
「はぁ…」
そう言って、エリアス様は帰って行かれた。
お金で買えぬ物とは、一体何なのだろうか?
手作りの物とか?
大自然の風景とか?
私は頭を捻るが、それぐらいしか思いつかない。
そうこうしている間にバルサック様の即位式が終わり、シャルルダルク様の誕生日パーティーが近づいてきた。
しかし、私はいまだにプレゼントを用意出来ずにいた。
えぇい、もう花束でも持っていってしまえ!
そう思って、花屋に出かけた。
白の薔薇をシャルルダルク様の年に合わせて26本買い、私は後宮に帰った。
そして、馬車の中で私はハッとして、赤くなった。
つまり、そう言う事ではないのか…と。
え、でも、でも、私とシャルルダルク様は正式に付き合っているのか?
そんな簡単に身体を許すのは…
確かにお互いの気持ちはわかっているが…
花など買っている場合ではなかったかもしれない。
私はやっとお金で買えぬ物の意味が分かり、大混乱していた。