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💚💜🧡💙💛❤️🤍🖤…… え?もしやもしや?? えー!🩷どうなるんだ? ❤️🖤🩷だけ残るん?えー?? と、とりあえず続きを待ちます_( ˙꒳˙ _ )チョコン
“メンバーが死んだ”
朝の報道番組で、ラウールはそれを知った。
集団自殺だと報道されているが、ラウールにはピンとくるものがあった。
🤍「怪しいとは思ってたんだよね……」
9人の仲良さの中に、たまに感じる陰り。それはやはり同業者の……殺し屋のもので間違いなかったようだ。
ラウールのもとにも暗殺依頼が届いていたが、同業者が誰なのかを突き止めることはできなかった。できないというよりも、したくないの方が正しいかもしれないが。
これでメンバー内の同業者はいなくなってしまった訳だし、依頼も取り消しになるはず……と思っていたのだが。
ラウールは首を傾げる。
🤍「……なんで、暗殺依頼取り消されないんだろ」
🤍「おはようございます……」
楽屋に向かうと、肩を落とし無気力になってしまっているメンバーがいた。どうやら、ラウールが1番最後だったようだ。
❤️「おはよう。ラウールは、大丈夫?」
🤍「いや、大丈夫じゃないけど……俺より、舘さんたちの方が辛いでしょ」
❤️「……大切なメンバーだから。そりゃ落ち込むよ」
宮舘のその言葉を、ラウールは素直に受け取ることが出来なかった。
依頼が取り消されないということは、この中にまだ同業者がいるということ。それが一体誰なのか手がかりが掴めていない。もしかしたら、この中にメンバーを殺した人がいるかもしれない。
🖤「ラウール、ちょっといい?」
不意に目黒がラウールを呼び、楽屋の外に連れ出した。
🤍「なに?めめ」
🖤「……暗殺依頼、どうなってる?」
めめは辺りを見回し、俺にギリギリ聞こえるくらいの声でそう聞いてきた。
🤍「……実はさ、」
ラウールは今朝考えたことを素直に目黒に打ち明けた。
🖤「……マジか」
話を聞き終わった目黒は、ポツリとそう呟いた。
🖤「俺たちの中に、まだ同業者がいるんだ」
🤍「みたいだね……」
二人の間を、沈黙が包んでいる。
🖤「なんで、みんなここに集まっちゃったんだろう」
🤍「……さあね」
見ず知らずの他人であれば、こんな感情を抱くことなんてなかったのに。ただ依頼にある通り、さっさと見つけてさっさと片付けることができたのに。……これ以上、メンバーを失いたくないのに。
なんとも言い難い感情になっている二人に、スタッフが話しかけた。
「あの、大丈夫ですか?そろそろSnow Manさん出番ですけど……」
🤍「あ、大丈夫です!ちょっと、ブルーになっちゃってて」
🖤「すぐ行きますね」
「はい、お待ちしてます」
スタッフが遠ざかってから、二人は一言交わす。
🤍「……俺、ちょっと探してみるよ。めめは俺の連絡待ってて」
🖤「……わかった。気をつけてね、ラウール」
🤍「うん、ありがと」
本番に向かいながら、ラウールは覚悟を決めた。
ずっと、後処理屋の人には申し訳ないと思っていた。自分たち殺し屋の精神を守るために、同じ罪を背負ってくれる。殺し屋が殺したことが世間にバレないように、うまく工作もしなければならない。それが、本人たちにとってどれほど大変なことか。自ら進んでこの仕事をしている人もいるみたいだが、それでも大変なことに変わりはないだろう。
自分たちのやったことで後処理屋の人たちを苦しめるのは、もう嫌だった。
だから、殺し屋と後処理屋という運命を共にする関係とはいえ、目黒のことをこれ以上苦しめたくない。ラウールは一人で探すことを決めた。
無事に本番を終えた5人は楽屋に帰ってきた。
先頭に立っていた目黒と佐久間は風呂友の話題で楽しげに話しており、そのままソファーに座って飲み物を飲んでいる。ラウールはその向かいに座りスマホを触るふりをしながら、後から入ってきた岩本と宮舘の様子をこっそりと見る。
すると偶然にも、
🤍「あれって……」
部屋の隅で荷物をまとめるフリをしながら、宮舘が岩本に黒い封筒を渡しているところを目撃した。
🤍(同業者は、岩本くんと舘さんか……)
黒い封筒は殺し屋としての依頼を渡すときに使われる。普通の手紙なら白い封筒を使うはずなので、ほぼ確定と考えて良いだろう。
拳をギュッと握り締め、覚悟を決める。ラウールはソファーから立ち上がり、2人のいる荷物置き場へ向かった。
🤍「2人は、この後同じ仕事だっけ?」
不意にラウールが話しかけると、2人はビクリと肩を震わせた。
❤️「!?……ああ、そうだよ?」
💛「どうしたのラウール、目黒たちといたんじゃないの?」
驚いたことを誤魔化そうと平然を装う2人。でも、一度気づいたラウールを誤魔化すことなんてもうできなかった。
🤍「……いや、2人隅っこで何してるのかな〜って思って」
とりあえず、ラウールは口頭では嘘をついておく。
❤️「ちょっと渡しておかないといけないものがあって。それだけだよ」
宮舘が優しい笑みを浮かべながら言う。宮舘が「渡す」役目ということから、殺し屋なのは岩本だとラウールは察した。
🤍「それって、これ関係のこと?」
さらに確信を得るため、ラウールは自分のジャケットをめくり、裏に隠した拳銃を見せつける。
💛「ラウール、お前……」
2人は言葉を失った。ラウールは思う。きっとさっきの暗殺依頼はラウールのことだ。まだ依頼内容を見ていないこともあり、2人は同じグループに同業者がいるだなんて思っていなかっただろう。亡くなった4人も同業者だって、果たして気づいていたのだろうか。
🤍「2人も同業者だったなんて、知りたくなかったな」
ラウールが寂しげに言うと、2人の表情もさらに暗くなる。
🤍「……岩本くん、今日仕事終わったら、ここに来てくれる?」
ラウールはとある地名が書いてある紙を岩本に手渡す。
東京の山奥にある湖。一般の人には自殺の名所として知られている場所だ。でもラウールら殺し屋にとっては、決闘の場所として有名である。自殺を装って殺し屋が殺されていることも実はよくある。
🤍「……舘さんは来ないでね。岩本くんと、俺だけで勝負したいから」
❤️「いや、でも……」
🤍「後処理屋の人に、これ以上迷惑かけたくないの。だからもう、何もしないでいいからね」
❤️「迷惑って……」
🤍「じゃあ、そういうことで。めめにも何も言わないで。もちろん、佐久間くんも巻き込まないで」
ラウールは宮舘の言葉を遮って早口で言うと、戯れる目黒と佐久間の方へ戻っていった。さっきまでの暗い表情とは裏腹に、いつも通りの明るい笑顔でわちゃわちゃしている。
💛「なんで、ラウールが……」
❤️「もしかして、あの4人が死んだのって」
💛「……ラウールが殺したっていうの?」
❤️「考えたくないけど、依頼ならやりかねないんじゃない?……照も、同じ立場ならそうするでしょ」
💛「そうだけど……やだ。そんなの」
岩本と宮舘の間には、さっきよりも重い空気が漂っていた。