TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

風にたなびく艶やかな黄金の色の髪、どこまでも透き通った水色の瞳を細め、片手で持っていた煌びやかな扇子をピシャッと広げ、高笑う…。通称“悪女”として有名な、公爵令嬢であるシルビア・バーレンス。

今日もシルビアはその艶やかな髪を弄りながら、教室の窓側に座っていた。シルビアの近くに来る者はいなく、唯一近くにいる同級生2人も、彼女のご機嫌取りに必死だ。

シルビアが何かを言えば全力で反応し、おだて、褒め、異常なほどに持ち上げる。シルビアはそれすら飽きたのか、窓の外をじっと眺めていた。

「それでですね、シルビア様!あの女ったら、他のお方に色目を使っていらしてですね」

「まあ!本当に懲りないんですね、あの女!」

後ろで何やらピーチクパーチク言っているが、シルビアは一向に気に掛けないまま,窓の外をぼんやりと見ている。

流石に違和感を感じたのか、2人は顔を見合わせた。

「ど、どうしました?シルビア様…何かあったのですか?」

「き、きっとあの女のことですよ。目障りだもの」

あの女と聞き、シルビアは目を細めた。その仕草を見た2人が、怒らせてしまったと不安に顔を曇らせていく。

「……何、貴女達はそんなにも、ソファル様のことが気になっていらして?」

「え、いや…」

「そんなにも目障りならば、本人に言えばよろしいのよ。どうしてそれをなさらないの?」

「で、でも…あの」

「耳障りですわ、少しは黙ってくれないかしら」

「「は、はい!」」

小さくなる2人を見て、まるで子羊のようだとシルビアは思った。

はあっとシルビアはため息を吐く。それと同時に、ビクッと2人の方が跳ねた。

「そんなに怒ってないですわ、だからそんなに気を張らなくてもよろしいのよ」

シルビアがそう声を掛けると、また2人はビクッと肩を揺らす。そして、少し震えた声で「は、はい…」と返事をした。

シルビアはより一層深いため息を吐きそうになるのを、何とか抑えまた外を眺めた。

窓から見えるのは、どこまでも広がる青い空と、無駄に豪華に建てられた校門だ。

「…なあ、今日も機嫌悪そうだよな…」

「俺なんかさ、昨日睨まれてさ…本当怖かったよ…」

「うわ…お前大丈夫か?相手は公爵令嬢だぞ?」

「だ、だよな…俺、なんか怒らせるようなことしたり…」

クラスメイト達のコソコソ話を耳にしながら、シルビアは僅かに俯いた。

♦︎♦︎♦︎

シルビアはずっと1人であった。ずっと、ずっと。まあ、当たり前だろう。公爵令嬢という上の立場にあり、またその外見も吊り目と、相手に威圧を与えるようなもの。

そのせいで、シルビアには友達という友達が誰1人居なかった。そもそも、作れなかったのだ。親は異常に過保護で、シルビアを外に出しがらない。人と会わないようにしていたのが、孤独化を進めた要因か。

「うう…」

ばたんっとシルビアは自室のベッドに倒れ込む。落ちるシルビアの華奢な細い体を、シーツがふわっと優しく受け止めた。

そしてシルビアは枕に顔を埋め、うぅと唸る。

「うう、わたくし…私だって…」

大きく口を開けて、シルビアは叫ぶ。


「お友達が欲しいのですわっ!」

そう!シルビアはお友達が欲しいのだ!

天涯孤独なんて真っ平ごめん、だがしかしシルビア!肝心の友達はまさかの皆無!しかも周りの環境のせいで中々友達が出来ない模様!

詰み!まさしく詰みの状況なのだ!さあ、どうするシルビア!

「うう……こうなったら…自ら動けばいいんですわ!」

涙ながらにそう決意するシルビア。が、シルビアよ忘れてはならない。他人と自身に出来てしまった溝はそれはそれは深く、広いことを…。が、シルビアはそれでも諦めない。

「ええい!何度でも立ち上がってみせますわ!めげない!挫けない!負けない!これ大事!」

シルビアは硬く拳を握り、天井にビシッと突き上げた。

「待ってなさいですわ!未来のお友達様!」


結論から言おう。

そんなに動けなかった。

「だってだって!皆様すっごい私から離れていくんですもの!どうやって話しかけろと仰るんですの!?」

可哀想なシルビア。原因は一体どこに。

が、今更の話である。正直、なんとなくこの展開は予想していた。

「くっそですわ!ほんっとうにお糞ですわ!お糞投げつけられたいんですの!?」

はしたない!はしたないぞシルビア!

だが、仕方ない。誰だってそうなるだろう。

「うう、負けない…めげない!挫けない!負けない!ですわ!」

2度目の決意を胸に、シルビアは静かに目を閉じた。

♦︎♦︎♦︎


結果。誰1人友達出来ず。

「何でですのーーー!?」

吊り目お嬢様、シルビアの奮闘はまだまだ続く…。

お嬢様はめげない!挫けない!負けない!

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

1

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚