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取り巻きの男たちが雄大に同調してゲラゲラ笑っている。取り巻きといっても銃を持った者が何人もいるし、力士のような巨体の者までいる。陛下であっても一筋縄ではいかない男たちだ。一対一なら勝てるだろうが、ヤクザが正々堂々と戦ってくれるわけがない。 陛下は場が静まるまで待って、雄大の提案を一蹴した。
「余は長い話は聞かない主義だ。余に倒されて地獄を見せられたあとにまだ話する元気があれば、そのとき聞いてやろう。それにしてもおまえの顔は余が連れてきた真琴によく似ているな。もしかしておまえも――」
わたくしに似ているから雄大も甘く見てはいけないなという言葉が続くのかと思ったら――
「変態か」
陛下を心からお慕い申し上げているわたくしを変態とはひどい! 陛下はツンデレだから心にもないひどい言葉を口にしてしまうのは分かっているけど、ときどき心が折れそうになる。
「一言言っておく。真琴は男に見えるけど女だ。二人で乗り込んできたと言っていたが、真琴は撮影係として連れてきただけだ。おまえたちの相手など余一人で十分だ」
ケンカは戦う前に勝負が決まっているという。つまり先に弱気になった方がたいてい負ける。そういう意味で陛下が強気を貫くのは正しい。
だけど今、敵を怒らせれば捕まったあとの報復が苛烈になるだけだ。陛下はわたくしが女であることもバラした。それで手加減してくれる敵でもないだろう。
「ほう。それなら臓器の摘出はナシだ。若い女ならもっと金になる方法がある」
ほらね。