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「おい、女!」
雄大の取り巻きの一人が大きな声を出した。声もデカいが体もデカい。格闘技経験者だろうと思ったらその通りだった。
「おまえ、さっきから聞いてれば何だ? おまえに倒されて会長が地獄を見せられる? 寝言は寝てから言え! おまえ、会長が弱そうだとナメてるんだろう? おれはレスリングの世界で頂点を極めた男だ。おれに限らずここにいる百人全員がケンカのプロだ。でもここにいる中で一番強いのは山鹿会長だ。見かけで判断して会長にケンカを売った連中はみんな死んだぜ。おまえは中国に売られるから殺されはしないようでよかったな。ただケンカを売る相手を間違えた代償は高くつくぜ。会長、おれの弟にあいつを片づけさせてください。軽く痛めつけて眠らせたあとは、いつものように会長の寝室に運ばせていただきます」
「そうしてくれ」
「会長の許可が出たぞ。おい、虎丸! 売り物だからな、傷が残らないようにあの女を泣かせて連れてこい!」
「押忍!」
呼ばれて前に出てきた男は、わたくしがさっき力士ではないかと思った男だった。体重は150kgはあろうかという巨体。もちろんただの脂肪の塊ではなく、敵と戦うための巨体だというのは雰囲気と動きで分かる。