テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「はぁぁ!」
パリィンと音を立てて割れるクリスタル。
「ふぅ…」
敵を倒した神奈に駆け寄る
「ナイス神奈!」
彼女は乱れた息を整えながらこちらを向く
「うん…!」
そう答えた彼女は申し訳なさそうな顔をする。
「光莉…ごめんね。毎度毎度、お取りになってもらって」
そう言われた私は笑顔で返す
「ううん!別にいいよ。人間が囮にならないと怨霊出てきてくれないんでしょ。」
そう言うと彼女は
「うん。ありがとう」
そう苦笑いした。
私が囮となり、怨霊を倒す日々がひと月ほどすぎた時…
「か…神奈?!」
神奈は屋上の手すりの上に立っていた
「あっ…危ないよ!!」
神奈は微笑んでいう
「私いかなきゃいけないの。光莉にも一緒に来て欲しいけと…光莉を傷付けたくないの」
私は彼女はきっと飛び込もうとしているのだろうと
私が見ているうちに神奈は、トンッと音を立てて飛び降りた
「神奈!!」
いそいで下を見ると
「な…何コレ…?!」
そこには和風の家の中のような空間が怪しいオレンジ色の光で灯され、木材の部分が真っ赤に染まり、まるで神社の鳥居のようだった。
「今回は例外だったわ。まさか囮がなくても勝手に空間が広がっていたとは」
「もしかしてだから…」
私はかんなの言っていたことを思い出した
私いかなきゃいけないの…
光莉を傷付けたくないの…
あの言葉はおそらく、怨霊の空間がもう開いていて、囮はいらない…でも私が居ると、もしかしたら怨霊との戦いで私を傷つけてしまうかも…ということだろう。
気が付くと神奈の髪はツインテールに結ばれていた。
「光莉も来る?」
その言葉に私は屋上から飛び降りた。
「うわぁぁぁ!!」
スピードの速さに少し驚いてしまう。
神奈は落ちる私の手を握った
「そんなに心配しなくても落ちて死んだりなんてしないわ」
そう言って笑っていた
神奈は私を握る手をギュッとした
「少し激しい戦いになりそうだけど…準備はいい?」
「うん!」
そう返すと神奈は
「いくわよ!」
そして私たちはその空間に足を踏み入れた。
でも…まさか彼女の知られざる秘密が明かされる事になるなんて思いもしなかった。