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19 ◇正義の大罪
正義はただ彼女持ちの自分に酔いしれていた。
そしていい気になっていた。
実のところ、離婚してまで相手と一緒になりたいだとかというような気は
なかった。
そう、いうてそれほどまほりに惚れ込んでいたわけではなかったのだ。
家庭も持ちながら仲良くできる若い女性がいる俺ってイケてるだろーという
シチュエーションに酔っていただけ。
なのに、由香に匂わせ的な雰囲気を漂わせて、まほりにぞっこんであるかのような
イメージを無意識のうちにそれとなく植え付けていた。
これが正義の第三の罪だった。
第一の罪は――― いともやすやすと、由香にメールでの遣り取りを見つけられて
しまったこと。
第二の罪は、遣り取りを止めると言わず、親密な関係の継続を大っぴらに表明する
形になったこと。
そして、満島まほりに対しては、こう考えていた。
いずれ、彼女も恋愛だか見合いだかは分からないが、数年先には結婚するだろうから、
自分たちのお気楽で楽しい関係はそこで終わるだろうと。
次から次へとモテるなんて、流石の正義も思っていない。
寂しいけれど、そうなれば以前のように家庭一筋に戻るだけ。
妻や子供と過ごす時間はまだまだあるのだから、たった数年のことなのだ――
妻には目を瞑っていてほしかった。