授業とバイトが終わって帰ると、家で翔太が寝ていた。
本とノートを開いたまま、そこに突っ伏している。
💛「ただいま、起きて」
💙「ん〜〜」
💛「ノートに涎たれてる」
💙「はっ!?」
普段の寝起きの悪さからは考えられない速さで飛び起きた。
翔太は大学で心理学を学び卒業して、スクールカウンセラーを目指して実務経験中だ。
授業にもまともに出ていなかった翔太が勉強を始め、『俺、大学行きたい』と担任の先生に伝えたら感涙されたらしい。
自分の家庭環境とそこから来る精神状態や経験を逆手に取り、きっとこれを活かせる仕事だと言っていた。
親御さんは『人のためになる仕事がしたい』と相談すると、喜んで進学させてくれたそうだ。
そして今日も、現場での子どもたちの様子や気付いた事をメモして家で本と照らし合わせて勉強に余念がない。のだが、いかんせん寝てしまう。
俺に言わせればそんな所も可愛いんだけど。
💛「お風呂入った?」
💙「やべ、まだ」
💛「一緒に」
💙「ヤダ」
もうちょいやるから先入れ、と翔太は本をめくった。
真面目にやっているなら仕方ない、俺は言われた通り先に風呂を済ませた。
上がってくると、翔太はまたテーブルに頭を預けていた。
💛「起きてって」
💙「起きてるし」
💛「嘘じゃん、めっちゃ寝てた」
💙「うるさい。風呂」
気だるく立ち上がろうとする翔太が眠くてよろめくので抱きとめる。
腕に収まった一回り小さい身体を撫でて、キスを落とす。
💙「…風呂あがってから」
翔太はすぐ真っ赤になる。その真っ赤な顔で一言それだけ言うと、風呂場に逃げていった。
コメント
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あがってから、はいいんだね😏
最高なんだよなあ。 PCで見てたら10回しか👍できなかった。