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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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姉妹の楽しいふざけ合いは、アスタロトのまじめな声を受けて終わりを告げるのであった、次が楽しみである。

アスタロトの声はそんな期待も何のその、なかったように話の続きを語って聞かせるのであった。


「さっきコユキが答えた通り、生き残った強者の前には光り輝く石、貴石、半貴石、輝石がゴロゴロしていたんだな、彼らは目立って仕方ないそれを砂肝、胃に収めたんだな、んまあ、自然な事だと言えるだろう、だが、その結果はどうなったんだろうな? 生命力、放射エネルギーに溢れた石を体内に取り込んでしまった動物、植物たちはぁ? はい、トシ子ちゃん!」


アスタロトに指名されたトシ子婆さんは淀みなく応えるのであった。


「きょ、巨大化、ですか?」


アスタロトは大満足の風情で言うのであった。


「はい、大正解です! 取り敢えず、みんなトシ子(マイラヴァー)に拍手っ!」


……パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ


「トシ子の言う通り、海でも地上でも、空に生きる道を求めた始祖の鳥類たちも、挙って(こぞって)巨大化していったんだよ、それには体内に取り込んだ同位元素が、成長ホルモンを分泌している器官、脳下垂体に影響を及ぼすことにも繋がっていたんだよね…… そうして世界は巨獣、巨大魚、巨鳥が幅をきかす、巨人族、巨体族が頂点に立つ、ギガス、ティターンの時代を迎えたんだよ」


「なあ、アスタ、も一度休憩いれたいのでござる! ちょっち小休止で…… 頼むのでござる……」


話の進みが速すぎて、皆がついて来れないかもしれない、そう考えた善悪は再びの休憩を求めアスタロトもそれを受け入れたのであった。


受講者の面々はお茶や善悪が準備していたお菓子の類を楽しみながら銘々に休憩を楽しんでいた。

本堂の中央に顔を寄せて深刻な顔を向け合っていたのは四人、講師のアスタロトと善悪とコユキ、ナイスアシスタントとしてメインキャストに名乗りを上げた、コユキさん係的なリエを加えた顔ぶれであった。


トシ子は本堂の端っこでガープのブスから『おーいしぃ茶糖茶ほうじ茶』を受け取って美味しそうに飲んでいた。


コユキは思った、


――――残ってカビまくったクズ茶をクラクラ焙じて煮出した物を嬉しそうに飲むとは…… トシ子、老いたりっ!


と。


思いながらも新生主要メンバーの打ち合わせは続いていたのであった。

アスタロトが言った、もちろん小声である。


「どう? 我ちゃんと言えてるかな? 大魔王、ってか魔神ぽく出来てるかな?」


善悪が胸を押さえて言う。


「大丈夫、大丈夫! ちゃんと出来てるでござるよぉ、この調子であと少し、台本通りにこなせば万事うまく行くのでござるよぉ!」


リエが声を潜めて言うのであった。


「う、うん凄いですよ、アスタさん! とても一夜漬けには見えないってか、皆感動してるじゃないですかぁ! 本当にびっくりですよぉ! 人間側からの見方や、現代の表現語まで上手に使ってびっくりしちゃいましたよぉ!」


アスタトロが少し恥ずかしそうな顔を浮かべて言うのであった。


「ああ、それな! 昨日善悪から何冊か借りて読んだんだ、『漫画で見る地球の歴史』と、『猿でもわかる古生代』って本をな、うふふ、うまく行ってるのだろうか?」


仕上げの様に善悪が言う、真剣な表情だ。


「大丈夫でござるよ! さっきも言ったでござるが後少しでござる! んだが、ここからが肝心要(かんじんかなめ)でござるからちゃんとするのでござるよ! こっからが三兄弟の格好う良さを短く伝える所でござるからなぁ、いいでござるかアスタ、お前の双肩(そうけん)に全てを託したのでござるよ! ちゃんと出来なかったらもうお前なんか知らないでござるからなっ! 死ぬ気でやるでござる! 分かってんのぉ?」


「分かってるってば、が、頑張るからさぁ」


コユキが少し眠そうにしながらアスタロトに言った。


「あんまり気にしなくて良いんじゃないの? 別に誰に分かって貰わなくたってアタシはアタシ、善悪は善悪、アスタはアスタでしょ? なんか飽きて来たわぁ! ねぇ、リエちゃんのリエちゃん、あんた幾つになっても可愛いわねぇ? むふふ」


「やめてよお姉ちゃん、あ、ユキ姉、全くもう、マイペースなんだからぁ、皆さんごめんなさいね……」


「「お、おう……」」


「なによ! リエったら!」


かくして、小休止は終りを告げ、アスタロトの地球史の講義は仕上げを迎えるのであった。

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